相互 地域の菓子で利益貢献 藤原社長「緻密な商売を」
食品新聞 / 2024年9月6日 13時59分
京都府の菓子卸・相互は8月29日、都ホテル京都八条で秋季見本市を開催。メーカー65社が出展、得意先60社約150人が来場した。
今回、特に注力したのが地域メーカーの商材。商品部の江川野朗部長はその狙いについて「地域商材は値段が上がっても、思っているほど落ちていない。ピンポイントでも導入されると売上に貢献でき、得意先とわれわれの利益にもつながる」と説明する。
飴の吉岡製菓所(北九州市)は新製品「THE AME」を紹介。商品名は地飴(じあめ)を意味し、塩トマト、かぼす、黒糖くるみ、抹茶の4種類を揃える。いずれも九州産の原料を使用。「九州コーナーや物産展などへ提案したい。既存品では輸出が増えており、インバウンド需要も意識した」と吉岡浩一社長。
大きなどら焼きが看板商品のトーア乳業(水戸市)は初出展。今回は茨城県産紅はるかや国産柚子などをあんの原料にした「ふわふわシリーズ」を提案。高山史販売部長は「関西市場で知名度を高め、リピートを増やしたい」と意気込む。
相互グループの京かおりは新たに発売する「清酒バウムクーヘン」を並べた。京都の酒造メーカーとコラボしたチョコレートボンボンが好調なことから、今回は佐々木酒造の純米吟醸を生地に練り込んで焼いた。同社では「アルコールは飛んでいるので、子どもから大人まで楽しめる」とアピールする。
なお、企画コーナーでは北海道から九州・沖縄までの地域商品をエリアごとに展開。さらに、手土産や贈り物、半生などのテーマに沿って商品を集めた。
藤原弘社長藤原弘社長の話 24年6月期の売上高は前年比102%の45億4千万円。経常利益は150%で、利益率は1%をクリアした。値上げが本格化し価格転嫁できるか不安もあったが、得意先に理解してもらえた。ただ、秋以降も値上げは続き、すでに相見積もりも始まっている。
その中で、より緻密な商売を行いわれわれの存在価値を高める。広域卸と同じことをするのではなく、地域密着の営業を貫く。企画力や提案力を発揮し、それを実行して利益確保につなげてもらうことが大事。今期は売上高103%、利益は前年並みを目指す。
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