ブルボン、豪雪地帯の立地を活かしたサステナブル製造 魚沼工場の雪室でカカオ豆やコーヒー豆を貯蔵
食品新聞 / 2024年10月6日 15時0分
関東大震災で地方への菓子供給が全面ストップしたことを受けて「地方にも菓子の量産工場を」との決意のもと、大震災から約1年後の1924年11月、新潟県柏崎(市制施行は1940年)で創業したブルボン(当時・北日本製菓)。地震など自然災害への危機意識を常に持ちつつ自然との調和を重視して千年の大計を描く。
世界的に深刻化する気候変動問題を踏まえた動きとしては、脱炭素社会の実現に向け活動。新潟・山形の5工場(オンサイト)と2か所のオフサイトで太陽光発電を実施しているほか、トラック輸送から鉄道輸送へのモーダルシフトの推進などに取り組んでいる。
その中で比較的新しい取り組みが、2022年11月に竣工した魚沼工場(新潟県魚沼市)にある豪雪地帯の立地を生かした雪室の原料保管倉庫の活用となる。
ここでは、地域資源である雪の冷気を利用し、原料のカカオ豆やコーヒー豆を貯蔵している。
吉田康社長は「意外にも雪室工場が作れるだけの豪雪地帯はありそうでない。魚沼市は2m以上の積雪地帯で、除雪した雪を室の中に入れておくだけで温度を下げるエネルギーになる」と説明する。
雪室には味わいをまろやかにする効果があり、空調・冷却エネルギーに留まらず加工に要するエネルギーも削減する。
「チョコレートの製造工程には、カカオ豆の粒度を舌で感じられなくなるくらい微細にすりつぶし、えぐみを取り除いてまろやかにしていく精練工程がある。その工程にエネルギーを使用すると脱炭素に逆行するが、雪室であれば、えぐみを取る工程を少なくする。極端な場合、すりつぶすだけで済む」と語る。
魚沼工場貯雪庫。貯めた雪の冷気を隣接の原料倉庫に送り空気を循環、低温多湿を維持する雪室に貯蔵された原料はすでに製品に使用されている。
23年11月には「魚沼雪室熟成カカオ豆使用」を謳った「雪室ショコラ」2品を新発売。
「もう少し自然をうまく活用したような物づくり、菓子だけでなく多くの食品を考えていきたい。雪室の活用はその端緒。雪は厄介なものという意識が強いが、利用することを真剣に考えないといけない。昔から雪の中に野菜を入れるといった知恵はあったが、産業にはしていなかった。今後も再生エネルギー活用例を掘り起こしながら、今後はコーヒーやお茶などにも積極的に展開していきたい」と意欲をのぞかせる。
この記事に関連するニュース
-
ブルボン、関東大震災を受け“地方にも菓子の量産工場を”との決意から創業 不確実性が増大する中で社会や自然との調和を重視
食品新聞 / 2024年10月5日 17時0分
-
Café Amazonを有名店に押し上げた22年にわたるORの取り組みを解読 山岳のコーヒー豆が世界で人気の一杯に バリューチェーン全体を向上
Digital PR Platform / 2024年10月4日 12時22分
-
「エンドウ豆からできたジン」世界中で注目のなぜ 仕掛け人は女性醸造家、蒸溜法は無償で公開も
東洋経済オンライン / 2024年9月28日 12時0分
-
焼却されてきた複合プラスチックを活用して、社内のオフィス空間や店舗什器にアップサイクル!唯一無二のオリジナル建材を開発できるREMAREマテリアル開発サービスのご案内
PR TIMES / 2024年9月12日 21時40分
-
カルビー、北海道最大規模のじゃがいも貯蔵施設を運営 温暖化対策で冷蔵設備導入
食品新聞 / 2024年9月8日 21時49分
ランキング
-
1鳥貴族、「値上げ」でも客数激増、次は海外に攻勢 大倉社長が宣言、「焼き鳥を世界言語にする!」
東洋経済オンライン / 2024年10月6日 8時0分
-
2【BIC SIM】店頭申し込みでSIMフリーiPhoneを15,000円割引するキャンペーンを実施
PR TIMES / 2024年10月4日 21時40分
-
3年金〈月7万円〉の78歳母だったが「驚愕の老人ホーム請求額」に52歳長男、絶句。完全無視の弟妹に「ふざけるな!」と怒り
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月6日 8時15分
-
4「倍」以上になる区間も 函館バスが運賃を改定へ 長距離路線で顕著に
乗りものニュース / 2024年10月5日 14時12分
-
5神田前財務官「日本はもはや大国ではない」「貢献する意志と能力があるのかに尽きる」…ADB総裁候補として意気込み
読売新聞 / 2024年10月6日 13時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください