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北海道産じゃがいも今年も大豊作の可能性 「直近の調査で非常に順調」 カルビーポテト社・田崎社長「じゃがいも収穫式」で期待

食品新聞 / 2024年9月7日 15時46分

 カルビーポテト社が今年調達する北海道産じゃがいもは今年も大豊作となる可能性が高まる。

 同社の田崎一也社長が9月5日、「じゃがいも収穫式」で明らかにした。

 今年で3回目となる収穫式は、じゃがいもの一大生産地である北海道・十勝の畑(北海道中川郡幕別町)で開催された。

 同社は4月に北海道で17カ所目・十勝平野で5カ所目となる幕別支所を開設し、8月5日に幕別支所が同居する「糠内(ぬかない)加工用馬鈴しょ集出荷貯蔵施設」(以下、貯蔵施設)が稼働開始したことから、この地が選ばれた。

十勝では9月1日頃から収穫が本格化。幕別町の畑で稼働する大型ハーベスター

 4町5反(4万4550㎡)のじゃがいも畑に、田崎社長、杉浦大斗(ひろと)幕別支所支所長、JA幕別町カルピーポテト生産組合の橋詰仁組合長が足を踏み入れ、畝からじゃがいもを掘る収穫セレモニーが行われた。

 冒頭挨拶した田崎社長は「昨年は本当に大豊作となり20年ぶりに全道から25万トンを調達させていただいた。今年も直近の株掘り調査では非常に順調という結果が出ている。長雨や局的な降雨がなければ今年も大豊作の予感がする」と期待を寄せる。

 20年から22年の3年間の調達量は22~23万トンで推移。

 「2万トンの差はすごく大きい。カルビーで1日に使う量が約1000トンのため、2万トン増えれば20日分がプラスとなり、新商品などを思い切って販売できる状態になる」という。

大型ハーベスターは一度に最大6トンまで収穫できる

 十勝では9月1日頃から収穫が本格化。JA幕別町では1万5000トンの収穫を目標に掲げる。
 JA幕別町は近年、じゃがいもの病気に悩まされてきたが、フィールドマンと称する同社社員のアドバイスにより改善。

 橋詰仁組合長は「昨年はとんでもない量が収穫できた。今年は春から7月下旬にかけて雨らしい雨がなくて非常に心配していたが、フィールドマンから様々な技術を共有いただき、一昨年頃から確立された防除体制で今年もなんとか平年並みの収穫ができるのではないか」と期待する。

機上選別の様子。土塊や青いじゃがいもを取り除く。人手不足解消に向けてカルビーポテト社では畑で選別しないまま直接貯蔵庫に持っていく無選別の実験も行っている。

 中長期的な課題の1つに温暖化や干ばつがある。

 杉浦支所長は「馬鈴薯(じゃがいも)生育期間中の積算温度が100℃近く高くなっており、馬鈴薯の品種や防疫体制も変えていかないといけない」と危機感を抱く。

 田崎社長も「我々が最大数持っている『トヨシロ』は非常に貢献してくれる品種だが、少し病気になりやすく品種を変えていくしかない。独自開発した『ぽろしり』はまだ種芋が足りず十分に行き渡っていないが、今後増やしていきたい」と述べる。

 温暖化の影響を受けて、幕別町の貯蔵施設には冷蔵設備を導入。

 田崎社長は「北海道は夏場、夜になると気温が20℃以下に下がるのだが、昨年は下がらなかった。貯蔵に最適な温度は10℃台だが、これが今後難しくなってくるということで冷凍機(冷蔵設備)を導入した」と説明する。

大型ハーベスターからトラックへバラ積みされるじゃがいも

 幕別町の貯蔵施設は、1つの倉庫としては北海道最大規模の最大1万トンの貯蔵能力を持つ。じゃがいもをコンテナに入れて貯蔵するコンテナ貯蔵庫が10室あり、1室あたり1000トン貯蔵できる。10室のうち5室に冷蔵設備を導入している。

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