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コンパクトながら多彩な選別機能 異物・形状不良・変色など高精度検知 トムラソーティング

食品新聞 / 2024年9月18日 7時42分

トムラソーティング(本社=TEL03-6825-5010)は、ノルウェー・アスケルに本社を置く、M&Aなどで欧州の最高水準の「光学式選別」技術を蓄積したトムラグループの一事業部門で、飲料容器自動回収の「コレクション」、廃棄物を選別して再生可能な資源とする「リサイクル」、そして、農作物の高精度な等級付け、異物選別、皮むき、分析技術を提供する「フード」の3事業部門で構成。

現在、野菜・果物・ドライフルーツ・ナッツ・ジャガイモ・穀物などの食品選別装置に関しては、グループ全体では世界で1万5千台が稼働、日本では約210台が稼働している。

この世界的な実績の上に立ち、食品業界においては、生鮮食品および加工食品向けに、グローバル市場で培った特殊レーザー及びBSIセンサーをはじめとするセンサーベースの光学端末を組み合わせた「自動光学選別装置」のリーディングメーカーであり、ポテト・生鮮野菜向け「スチームピーラー」のトップメーカーとしても知名度が高い。

同社の自動光学選別装置は、生鮮野菜、ドライフルーツ、ナッツなどの約600品目以上の製品の選別において、マシンベースのAI機能と各種センサーやカメラのフレキシブルな付け替えで、生産ライン各工程での多彩な選別を可能にする“モジュラー式”設計になっているのが他社にない特徴である。これにより、マイナーチェンジによるバージョンアップも可能で、機械寿命を伸ばすことができる。

また、「HACCPに対応する衛生性」「CIP洗浄可能な防水性」「断熱性」などを備えた“堅牢性”に対する評価も高い。日本は食材の輸入が多く、輸入先で異物選別を行っているにもかかわらず、さらに選別を細かく行う傾向が強い。その意味でも、同社の守備範囲の広い“自動選別システム”は大きな力を発揮する。

同社は、食品選別について世界中に42拠点のテストセンターや日本支社を置き、ドライフルーツやナッツの本拠地である米国・カリフォルニアと、フード事業本部のあるベルギー・ルーベンに大規模なテストセンターを擁し、販売を拡大している。また、アイルランドには、世界的に大きなシェアを占める、蒸気圧で皮を瞬時に剥く「スチームピーラー」の一大拠点を置くなど、「選別」関連に特化したグローバルな展開を際立たせている。

さらに、同社の選別機は欧州で提唱されている「インダストリー4.0」に基づいて設計されており、マシンベースのAI機能を搭載した光学選別機からDX化によるデータ収集・抽出及び集積などが可能である。そのため、異物混入の頻度や歩留りなどのデータ集計ができ、異物混入が発生した場合のトレーサビリティも容易にする。

野菜には生鮮と冷凍があるが、その製造プロセスごとに虫も含めプラスチックなどの人工的異物など除去するものが多様で、従来は洗浄、カット、パッキングといったプロセスごとに多くの人手をかけて目視選別していたが、その各プロセスごとに光学選別装置を導入することで、高品質で高い歩留りを保持することに大きく貢献している。

そのため、同社はコンサルティングをした上で、ユーザーによって異なる様々な異物の混入防止はもちろん、省人化や生産効率向上の要求に細かく応えるトータルな「選別システム」の提案を行っている。その新開発システムの一つが次の機種である。

【TOMRA 5B 800 COMPACT】日本向けに独自開発したコンパクトマシン。

同機は、先発機「TOMRA 5B」などの高度な光学選別能力を全て維持しながら、ベルト長を4mから2・5mに短縮。海外の工場と比較して設置面積に制限がある狭小なスペースで、様々な加工機械とともに操業することが多い、日本の食品工場に特有な設備環境のニーズである「コンパクト化」に対応する。

複数のセンサーと新しい高度な形状アルゴリズムを導入したオブジェクト処理により、大量生産の流れにおける個々の欠陥を明確に検出。スマートなサラウンドビューカメラ技術による革新的な360度検査が、製品品質を向上させ、確実かつ迅速に異物を除去し、非常に効率的な選別プロセスを実現する。

自然落下式ではなくベルト式光学選別機なので、金属やプラスチックといった異物に加え、変色や形状不良、さらには他の野菜の混入までウェット・ドライどちらでもマルチに選別できる。日本は商品の外観に対する要求も細かいが、例えば「グミ」のハート形の微妙な変形の選別に活用できるなど、野菜以外にも極めて守備範囲の広い形状選別が可能だ。加えて、迅速かつ効率的な洗浄プロセスを可能にし、隅々まで洗浄できるため、廃棄物が蓄積されにくく、衛生機能の向上やコンタミ防止にも貢献する。

また、マシン・ディープラーニングベースのAIを搭載し、オペレーターフレンドリーで容易な操作性を実現。同社独自のBSI(生体認識システム)センサーと特殊レーザー端末の組み合わせで、外観や色見で判別しづらい不良品を高精度に検知・除去。これにより、「歩留り率の向上」「異物混入防止」「廃棄ロス削減」など効率的で正確な生産性を確保し、年間を通じた製品品質の安定性を維持。異物混入が発生した場合のトレーサビリティも容易だ。

「Sort to Specs」で歩留り最適化

さらに、新開発のソフトウェア「Sort to Specs」が搭載されているのも大きな特徴だ。ジャガイモのフレンチフライの形状選別をメインに開発されたもので、ユーザーが設定した選別基準に合わせ、自動で選別を実施し、歩留りを最適化する。

主要用途は「フレンチフライの長さ選別」で、例えば、北海道などではジャガイモをフレンチフライサイズにカットし、業務用に販売する加工メーカーが多い。その場合、細長いジャガイモをカットすると端は短く、中央部分は長くカットされ、短いものばかりを提供すればクレームがつく。

そこで、外食チェーンなどでは納入品について、長さ20㎜以下のものは1%以内といった規定を設けている。同ソフトはその規定に合わせ、20㎜以下のフレンチフライは1%を残して後は除外する。この比率を、各チェーンそれぞれの規定に応じ、高度な形状アルゴリズムとAI機能により自動選別する。

なお、この機能は汎用性が高いため、同社は今後、パイロットプラントでのバリデーションを重ねるなどして販売の目途が立てば、ジャガイモ以外の多様なアイテムにも用途を広げていく構えである。

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