「UCC BLACK 無糖」からゲイシャ種豆51%使用のプレミアム缶コーヒー 常・冷・温や開栓後の時間の経過で変化する繊細な味わい
食品新聞 / 2024年10月5日 19時16分
UCC上島珈琲は、ブラック無糖缶コーヒーのパイオニアブランド「UCC BLACK 無糖」から、使用コーヒー豆のうちゲイシャ種豆が51%を占めるプレミアム缶コーヒー「UCC BLACK 無糖 ゲイシャブレンド リキャップ缶275g」を10月7日から期間限定で新発売する。希望小売価格は税別198円。
「UCC BLACK 無糖」発売30周年を記念した第二弾商品。高品質豆とされるゲイシャ種豆をメインブレンドとする缶コーヒーを発売することで、ブラック無糖缶コーヒーの味わいでの新たな可能性を探るのが狙い。
ゲイシャ種は、エチオピアのゲシャ地区に由来するアラビカ種の一品種。2004年にパナマのエスメラルダ農園で栽培されたゲイシャ種のコーヒーが品評会「ベスト・オブ・パナマ」に出品されると独特で華やかなフレーバーが注目される。
以来、高値で取引され、スペシャルティコーヒーの中でも“トップオブトップ”と称される品種へと駆け上がっていく。
ゲイシャ種豆は、実のつき方が悪い反面、1つ1つの実が大きく育ち甘みと風味が強くなる傾向にある。今回使用するゲイシャ種豆は、グアテマラ・アカテナンゴにあるUCC契約農園「ゲイシャ サンタ・クララ契約農園」で収穫されたもの。「ゲイシャブレンド」は同農園の収穫豆を使用した初の缶コーヒーとなる。
浅煎りで焙煎してフルーティーで華やかな味わいを楽しむのがゲイシャ種豆の真骨頂とされるが「そのまま使ってしまうとリキャップ缶としては完成度の低いものになってしまう」と語るのはマーケティング本部の千葉美華子氏。
缶コーヒーでゲイシャ種豆の個性を引き出すべく焙煎・ブレンド・抽出で工夫を施す。
10月3日開催された「UCC BLACK無糖 新製品発表会」に登壇した中平尚己農事調査室室長(左)とマーケティング本部の千葉美華子氏。中平尚己農事調査室室長は「缶コーヒーの製造工程には高温殺菌があり、これにより失われる味覚の一部を補完するための品種をブレンド。焙煎も浅煎りよりも中煎り、シティロースト程度のところまでいかないと風味が活かされない」と説明する。
抽出はさらにこだわり、2温度帯抽出を採用して2種類の抽出液をブレンド。「酸味・甘み・コクそれぞれを引き出すための最適な温度と時間でそれぞれの味を抽出して、抽出液をブレンドすることで『ゲイシャブレンド』を完成させた」と胸を張る。
「ゲイシャブレンド」ではブラック無糖コーヒーでありながら“華やかな甘い香り”を訴求。
ゲイシャ種豆ならではの特徴として、常温・コールド(冷蔵)・ホット(加温)の各温度帯や開栓後の時間の経過で変化する繊細な味わいが楽しめるという。
原材料はコーヒーのみ中平室長は、コーヒー・チョコレート・ワインの各業界の味覚のスペシャリストの試飲後に寄せられたコメントを受けて、温度帯別のコメントを以下のとおりにまとめる。
――常温:レトルト臭がなくレギュラーコーヒーのような味わい。酸味がしっかり出ていて甘さも感じられる。
――コールド:緊張感が増し中身が詰まっている印象。新鮮な柑橘を飲んでいる感覚。
――ホット:フルーティーな風味が多様に広がっていく。
加えて中平室長自らの感想として「開栓して、ゆっくりと楽しんでいただくことで、飲んでいただいている間にどんどん味わいが変化するのを楽しんでいただきたい」と述べる。
UCC契約農園「ゲイシャ サンタ・クララ契約農園」。中央が中平室長UCCは2016年にサンタ・クララ農園と契約し、約100haのうち約20haを契約区画として借り受けゲイシャ種豆の栽培を開始した。
栽培エリアは、アカテナンゴ山とフエゴ山という2つの火山の西側斜面に位置し、標高は1800mとグアテマラの中でも標高の高いエリアとなり、フエゴ山の火山灰で新枝や果実表面などが被害を受けながら栽培している。
この中でゲイシャ種豆は、実のつき方が悪い反面、1つ1つの実が大きく育ち甘みと風味が強くなる傾向にある。
ゲイシャ種豆の収量は年10~12トンで推移。
「通常の品種だと1haあたり1トンの収量が目安になることから、ゲイシャ種豆はその半分程度となる」と語る。
同社調べによるとグアテマラのコーヒー生産量に占めるゲイシャ種豆の割合は0.68%という。
なお、試飲した各業界のスペシャリストは以下の通り。
――コーヒーのスペシャリスト:「豆香洞コーヒー」の後藤直紀さん
――チョコレートのプロ:「Minimal – Bean to Bar Chocolate -」の山下貴嗣さん
――ワインのプロ:「HIBANA」永島農(あつし)さん
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