豆腐・納豆売場に新風 豆腐バーや惣菜、健康系納豆 若年層に浸透、単価アップも
食品新聞 / 2024年10月18日 15時2分
豆腐・納豆業界が秋冬商戦に向けて動きだした。「物価の優等生」は円安や原材料高騰に振り回され、昨年から価格改定を実施。一周した今年も物価高や節約志向の壁が目前に迫り、新たな対応に迫られている。新製品で局面打開を目指すメーカーが多いが、手詰まり感は拭えない。環境変化が厳しい中、オリジナル商品で新製品合戦に参戦している。
メーカー出荷額で約2000億円、末端価格で約3600億円に達する豆腐市場。単価ダウンが共通課題だが、局面打開を目指す各社の販売意欲は大きい。アサヒコ、太子食品工業が展開する「豆腐バー」は、セブン、ローソンなどコンビニのPBも加わり新市場の予感が漂う。プラントベースフードや大豆たんぱく質、ダイエットなど若年層のニーズを網羅。「豆腐離れの救世主」と予想する向きもある。平均単価は170~180円。豆腐1丁の3倍する商品がよく売れている。
タカノフーズが発売している、レンジで簡単調理できる具材入り「ちょい飯」や、レンジ調理で簡単にとうふ鍋ができる相模屋食料の「ひとり鍋」などは、豆腐惣菜のカテゴリーに入る商品だ。若い世代は豆腐の喫食機会が少なくなっており、料理に時短や簡便を求める傾向が根強い。タカノフーズは「若年層に豆腐を身近に感じてもらう商品」に位置付けており、業界も動向を注目している。
市場規模が約2700億円とみられる納豆市場も、値上げ後の新たな対応が求められている。今年4~8月は前年同期比102~103%と堅調だが、豆腐市場と同じように物価高や節約志向の壁は大きい。最大の焦点は高付加価値型の健康系商品だ。
タカノフーズは納豆のタレにキリングループ「プラズマ乳酸菌」を配合して共同開発した、業界初の免疫機能の機能性表示食品「すごい納豆ゴールド プラズマ乳酸菌たれ付」を発売。ミツカンは今春から納豆菌K―2株芽胞を含む機能性表示食品「納豆効果 腸内ケア」を発売したが、第2弾として「納豆効果 1日不足分の鉄分」を新発売しており、健康系商品が納豆市場の焦点になってきた。
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