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2030年トラックドライバー23%減少 サントリー推計 持続可能な物流へ放つ3本の矢

食品新聞 / 2024年10月19日 20時58分

 サントリー推計で物流業界全体のトラックドライバーは2030年、22年比で23%減少する――。

 トラック輸送量が多い飲料業界の中で業界トップクラスのサントリー食品インターナショナルは、ドライバー不足を重大な経営課題と捉えて3本の矢を放ち、持続可能な物流に向けた取り組みを推進している。

 取り組みの1つにドライバーを待たせない先進事例がある。

 大和ハウス工業との協働で飲料に最適な仕様に設計され、2021年11月に稼働開始した浦和美園配送センター(サントリーロジスティクス埼玉支店)では入出庫の受付を自動化している。

浦和美園配送センター外観 建屋の3~5階に入居

 同センターは、2万1000パレット(115万ケース)の保管能力を持つ巨大配送センター。トラックが駐車して貨物の荷積みや積み下ろしをする場所(バース)を39台分備え、年間2500万ケースの入庫・出庫に対応している。

 この通常の3倍規模となるバース数と入出庫の受付の自動化により、一般的な配送センターと比べトータルで約1時間早くドライバーの退場が可能となる。

 ここではバースの事前予約システムは不要となっている。 10月18日、同センターで発表したサントリーロジスティクス埼玉支店の小島達也リーダーは「受付で5分から10分短縮し、さらにバースを指定する呼び出し時間を大幅に削減している」と胸を張る。

自動化された入出庫の受付

 一般的な配送センターでは、受付で入場時間や氏名・電話番号を手書きで記入しオペレーターからの電話連絡を待つのに対し、浦和美園配送センターではタッチパネルで記入すると伝票が自動的に出力され、オペレーターからドライバーの携帯に直接SMSが送られバースが指定される。

 入庫・出庫でもドライバーの待機時間削減のための工夫が施されている。

 出庫では、仮置きスペースを広くとることで、バースに積み込む商品を事前に荷集め・荷揃えする。これによりトラックが到着次第の積み込みを実現。床は、仮置きスペースからそのまま積み込めるように低床仕様となっている。

荷積みするフォークリフト

 浦和美園配送センターは建屋の3階から5階に入居。この中で3階は大型ペットボトル商品を扱う。取材時は、フォークリフトによってトラック(13トン)に大型ペットボトル18パレット分(1パレット30ケース)がスムーズに積載される。

 各フロアとも敷地の半分は仮置きスペースで占められている。3階の仮置きスペースにはAGF(Automated Guided Forklift)と称する自動運転の無人フォークリストが4台稼働し、仮置きスペースからバースへと商品を移動している。

 3階の仮置きスペースについては「無人フォークリフトが時速3.6キロと非常に遅いスピードで動いているため当日出荷には間に合わず、翌日や翌々日の出荷のために稼働している」と説明する。

無人スペースで稼働するAGF

 ドライバーを待たせない取り組みとして、今後は、浦和美園配送センターの先進事例の横展開を視野に入れる。

 残りの2本矢としては、製造・物流拠点増加による輸送距離の短縮化と積載効率を考慮したパッケージの設計を挙げる。

サントリーロジスティクス埼玉支店の小島達也リーダー

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