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伯方塩業 松山駅にコンセプト店 塩の面白さ伝える スイーツやビール、雑貨まで

食品新聞 / 2024年10月28日 13時20分

伯方塩業は9月29日、JR松山駅内に同社初のコンセプトショップ「with salt」を開店した(一部既報)。店は同日オープンした商業エリア「だんだん通り」の入口付近に位置する。

テーマは「ちょっとおもしろいかも、塩。」。業界でもトップクラスの知名度を誇る「伯方の塩」ブランドを有する同社だが、店内にその名前はほぼ見当たらない。石丸一三社長は「店舗では塩を前面に出すのではなく、『こういうものにも、使われているんだ』と驚かれるような商品を用意する。それらを通し、塩って面白いねと興味を持ってもらい、話題になれば嬉しい」と出店の狙いを話す。

看板商品は同社の大三島工場でも人気の塩ソフトクリーム。注文するとカリッとした食感の「フルール・ド・セル」、さわやかな香りが漂う「ブラッドオレンジソルト」、いずれかの塩をトッピングに選べる。このソフトクリームを求めて毎日行列ができ、オープン直後は開店から閉店まで絶えることはなかった。

木村洸希店長は「ソフトクリームが人気になると思ってはいたが、予想を上回る勢いだ」と驚く。実際、ソフトクリームの売上が店全体の6割を占める。そのため、当初計画していた月間売上高をオープンからわずか3日間でクリアした。

日替わりでさまざまな商品が並ぶ

ソフトクリーム以外は、ほとんどがこの店のために開発した商品だ。例えば、生地とトッピングそれぞれに異なる塩を使った塩ベーグル、藻塩を加えて甘さを引き立てた塩あんどら焼きなどが並ぶ。いずれも、地元のベーカリーや和洋菓子店などとのコラボレーションから生まれた。

このほか、地元のメーカーと開発したクラフトビール「ザルツ(ドイツ語で塩)」、はちみつ塩レモンジャム、塩サイダーや塩コーラなど多彩な商品をそろえる。食品だけでなく、昔ながらの塩田で使う竹の枝を活用したドライフラワーのような雑貨も合わせ、店内には約60種類の品が並ぶ。駅ナカという立地柄、通勤・通学者から旅行客、近所の人々まで客層は幅広い。

同社は今期から5か年の中計をスタートさせた。基本テーマは「シン・伯方塩業」。石丸社長は「〝シン〟には〝新しい〟というだけでなく〝伸びる〟〝深掘りする〟〝進む〟など、いろいろな意味を込めた」と話す。 

木村店長は「新しい取り組みであるこのショップで、好スタートを切ることができた。『with salt』のブランド力を高め、県内外に展開できれば」と意気込む。

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