東京に生麺メーカー集結 第64回「全国製麺業者大会」 奮闘する3氏が語り合う
食品新聞 / 2024年11月1日 14時5分
生麺類の製造者で組織する全国製麺協同組合連合会(全麺連)は、第64回「全国製麺業者東京大会」を都内のホテルで開き、全国各地から製麺メーカーなど多数の関係者が集まった。
第1部として初のパネルディスカッションを行い、業界で活躍する丸山製麺(東京)丸山晃司取締役、堀製麺(三重)堀哲次社長、淡路麺業(兵庫)出雲文人社長の3氏が登壇し、自身の成功事例や今後の展望などを語った。
パネルディスカッションのテーマは「私たちは未来へ大きく羽ばたきます」。丸山氏は、前職での経歴を生かして麺を核にした新規事業を次々に展開。全国の有名ラーメン店の味が味わえる冷凍自販機「ヌードルツアーズ」、より簡便性を追求した「レンジdeヌードルツアーズ」、業界初となる小麦麺のラーメン缶などを紹介した。直近で新規事業の売上構成比は23%まで上昇。「新たな販路を開拓して麺業界の活性化に貢献したい」(丸山氏)。
堀氏は、かつて地元でしか食べられていなかった「伊勢うどん」を県内外で知られる存在に育て上げるまでの奮闘記を披露。三重県で小麦「あやひかり」が奨励品種に採用されたこと、LL麺の開発で販売ルートが広がったことなどをポイントに挙げた。「業界を取り巻く環境は厳しいが、『伊勢うどん』の製麺業者は事業を継続できている」(堀氏)。
出雲氏は、家業に戻った際に自社が赤字続きだったこともあり、あらゆる素材の練り込み麺にチャレンジした過去を振り返り、その先に現在の主力事業である生パスタにたどり着いたと述懐。現在は約3500店舗に毎日5万食を納品するまでに成長した。
「(生パスタを開発する以前)麺を食べ歩きしてアイデアのヒントを探っていた折、イタリア料理店などは乾燥パスタを使用していることを知った。生麺ならもっとおいしいパスタを提供できるのでチャンスと考えた」(出雲氏)。
農林水産省大臣官房長賞の松本製麺所第2部は式典を開き、鳥居憲夫会長は「麺類は主食の一端を担っており国民の食生活に欠かすことのできない重要な食品。その安定供給という社会的責任と、おいしく、安全で価値のある麺類の提供者としての使命を果たしていかなければならない」などとあいさつした。
次いで3回目となった国内産小麦を使った生中華麺の品評会「ラーメンコンペティション日本2024」の表彰式を実施。全国の製麺メーカーより出品された66品の中から、「農林水産省大臣官房長賞」に松本製麺所(東京)の「The 更科(小麦の底力)」、時麺(愛知)の「国内産小麦の三層麺」などの各賞を選出し、賞状が贈られた。
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