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エーシーアイ 中根優社長 新本社・工場稼働で業容拡大 乾燥食品充填・包装事業を中軸に

食品新聞 / 2024年11月11日 11時36分

愛知県岡崎市の食品包装事業者エーシーアイ(ACI、中根優社長)は2000年3月に設立。即席みそ汁の具材やふりかけ・お茶漬け、即席ラーメンのかやくなど乾燥食品の充填・包装を主事業として展開する。24年2月期売上高は、前年比10%増の3億7000万円と堅調に推移。今年6月には新本社・工場が完成し、さらなる業容拡大を目指している。

今期足下の業況については、「上期(3-8月)は売上高が前年比約20%増、営業利益も二ケタのプラスとなった。下期については、大口得意先の事業方針転換により9月をもって商いが大幅に減少。厳しい展開を想定していたが、新規獲得でカバーできそうな情勢だ。とはいえ、原材料費をはじめ包材費、人件費、物流費などコスト上昇は続いており、すべてがきちんと転嫁できているわけではない。新規開拓と合わせ、収益性の改善にも継続課題として取り組んでいく」(中根社長、以下同)とする。

新本社・工場は、総投資額5億5000万円。総敷地面積約2000㎡、建物面積約708㎡、延床面積約1400㎡。建設に当たっては、HACCP対応ならびに食の安全安心の徹底を図った。来年1月1日付で就労支援継続A型事業も開業。障がい者雇用も、より積極的に取り組んでいく。

新工場稼働により生産キャパは従来比1・5倍に拡大した。例えば、三方シール充填包装ライン(みそ汁、お茶漬け、ラーメンかやくなどの個包装)なら年間4800万食、自動計量機包装ライン(ふりかけ、みそ汁の具などのスタンドチャック袋、平袋)は同360万袋、最中充填包装ライン(お吸い物、みそ汁、お茶漬けなど)は同4800万食を製造できる。

「もともと地元メーカーさまを中心に広くお取引をいただいていたが、新工場稼働で問い合わせが増えている。従業員のモチベーションもアップした。製造工程もスムーズになり、それは品質向上にもつながっていくものと捉えている。食品安全マネジメントシステム(JFS―B)の25年3月取得に向けた準備も進めているところだ」

同社の強みは、多品種・小ロットから製造受託が可能な点。最中(もなか)商品の生産、フリーズドライのブロックを使用した小袋生産なども得意とする。

また、小袋(一次包装)から最終商品(二次包装)まで、完結型の食品包装会社(製造委託)は全国的に見ても少なく、「特に中部地方を拠点にする食品メーカーさまに対しては、今後さらに物流コストの上昇が懸念される中で、横持運賃が抑えられるメリットも提供できる」とする。

「今期売上高目標は4億円。長期計画として5年後・7億円を掲げている。生産キャパは拡大したが、まだ6~7割ぐらいの稼働率。自社の強みを十分にアピールして新規獲得につなげたい。現在は委託製造がメーンだが、将来構想として地場密着型の自社オリジナル商品も手掛けていければと考えている。次世代へのバトンタッチを見据え、新たな柱事業の創造・育成にも挑戦していきたい」

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