「海苔」を学ぶ食育授業 山本海苔店 小学校で初開催
食品新聞 / 2024年11月27日 10時7分
山本海苔店は11月6日、東京都中央区立月島第二小学校で生徒100人超に食育の出張授業を行った。同社初の試みで、海苔の生態や加工方法などの基礎知識に加えて、自社製品を使った食べ比べも実施。学童期から海苔に興味を持つきっかけを作った。
食育の出張授業は山本海苔店にとって今回が初めて。営業推進グループ・綿引佑香奈氏が「若年層に海苔の知識を持たない人が増えている。学童期のうちに海苔のことを知ってもらいたい」との考えから企画を立案。実施先を探す中、同じ中央区にある月島第二小学校での取り組みに至った。
「山本てんちょう」のぬいぐるみを手に授業を行う綿引佑香奈氏同校では銀座の日本料理店をはじめ、食品以外の企業による出張授業も積極的に実施しており、今回の授業は中央区にある企業を学ぶ地域学習の一環でもあった。伊藤真吾校長は「地元企業の取り組みを知り、地域への理解を深めてもらいたい。食卓に並ぶ食品への理解も促したい」と授業への期待を述べる。クラス担任からは「苦手な食べ物を残す生徒が、食品への興味を持つきっかけになってほしい」との希望も聞かれた。
授業を受けたのは3年生の100人超。40分前後の授業を3クラスに分けて実施し、綿引氏が講師を務めた。内容は、まず海苔の誕生から生産、仕分、加工を経て食卓に並ぶまでの流れを概説。次に、3大うまみ成分や食物繊維、葉酸など、海苔に含まれる栄養素とそれらの機能を説明した。
2種の海苔を比べてみる企業紹介では、味付海苔を発明した老舗であり、宇宙食にも採用された実績をプレゼン。昨年名前が決まった公式キャラクターの「山本てんちょう」は、かわいらしい見た目もあいまって生徒たちに人気を博していた。
食べ比べで用意したのは焼海苔2種と味付海苔。子どもたちは「色が違う」「甘みがある」など、加工方法や収穫時期で異なる味わいへの理解を深めていた。
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