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希少性に依存した高級酒から脱却へ 日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」 「百光」新たな酒米で数量拡大

食品新聞 / 2024年12月4日 10時45分

「われわれは希少性に依存した高級酒から脱却を図る。フラッグシップの『百光(びゃっこう)』は生産量を増やし、定番の高級酒として成長を目指す」と話すのは日本酒「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」のブランドオーナーである生駒龍史氏(Clear代表取締役CEO)。「その先に新たなカテゴリーとして広まり、多くの酒蔵が高級酒に参入し売上を伸ばせれば、業界の利益構造も変わってくる」と力を込める。

「百光」のコンセプトは“誰が飲んでも美味しい”。最高峰の製造技術でいっさいの雑味がないクリアな味わい、エレガントな香り、美しく伸びていく余韻を実現している。精米歩合は18%。3万円超の高級酒ながら、24醸造分は限定1万本が抽選販売で完売した。製造は山形の楯の川酒造。

そして今シーズンの酒造りから原料米を山形県が大吟醸向けに開発した「雪女神」に変更。さらなる酒質の向上を追求し、より研ぎ澄まされた透明感を具現化するとともに、製造量の拡大も図っていく。従来は有機栽培の酒米「出羽燦々」を使っていたが、供給量が限られ、増産が困難だったという。

生駒氏は「われわれは高級酒の市場を開拓し、日本酒産業の利益構造を変えていきたいと考えている。そのためには相応のボリュームが必要。『百光』も希少性に依存するのではなく、製品の価値や魅力を高めて需要を創出していく」と説明。前年の1万本から大きく増やしたい意向を示した。

新たな「百光」は11月末に初回ロットが瓶詰めされたばかり。12月16日まで抽選販売を受付け、年内中に製品を届ける。価格は3万8500円(税込・送料別)。

■「日本酒で特別なブランド体験を」

ブランドオーナーの生駒龍史氏

「SAKE HUNDRED」はラグジュアリー日本酒ブランドを志向し、パーパスには世界中の人々の「心を満たし、人生を彩る」ことを掲げている。21年にはClearの社外取締役に元エルメスパリ本社副社長を務めた齋藤峰明氏が就任。より洗練されたブランディングに取り組む。販売は順調に推移し、ブランドを立ち上げてから過去5年間での累計売上は45億円に達した。

生駒氏は「一般的な日本酒は既存の飲み手にだけ向けられた製品が多い。『SAKE HUNDRED』は付加価値やストーリーを追求してハイエンドのブランドを構築。これまで日本酒に馴染みがなく、ワインやウイスキーで高級酒を選んでいた方々の選択肢にも入ってきた」と手応えを説明。

「例えばエルメスのように、選ばれるブランドとは人生に晴れやかな体験を提供できるものだと考えている。われわれはそれを日本酒で実現したい」とビジョンを語る。

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