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アサヒ飲料「CO2を食べる自販機」が拡大 吸収したCO2を活用 100年先に負を残さないビジネスモデル構築に手応え

食品新聞 / 2024年12月21日 17時31分

 アサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」の設置台数が拡大している。

 米女太一社長は12月17日の年末会見で「“『CO2を食べる自販機』を設置したい”と大変多くのお客様から関心を寄せていただいて、今年、500台の設置が達成できる状況」と説明する。

 同自販機は、自販機にCO2吸収材を搭載しCO2を吸収したCO2吸収剤を肥料やコンクリートなどの工業原料に活用することを目指したもの。

 2023年6月に実証実験を開始。以降、CO2濃度が高いとされる場所などに設置先を広げて軌道に乗る。
 「自販機の設置とともにCO2を吸収したCO2吸収剤を販売していくビジネスモデルが構築できる目途がついてきた」と述べる。

12月17日の年末会見に臨んだ米女太一社長

 同自販機は、健康・環境・地域共創の3つを軸足とした新価値創造の取り組みの一環で、自販機ビジネスと循環型社会の両立を志向する。

 「(社員には)我々の日々の事業活動の中で、お客様に楽しさ、明るさを提供していくことによるポジティブな成果とともに、その事業から出されるネガティブなものを100年先には残さないようにと言っている」という。

 最終的な設置台数は約5万台を想定。

 CO2を吸収したCO2吸収剤については、コンクリートの原料に配合するなど様々な工業原料として活用することを計画する。

 7月上旬には、沖縄県の伊良部島で伊良部島環境協会と協業し、CO2を吸収したCO2吸収剤をサンゴ移植に活用する実証実験を開始した。
 サンゴの骨格形成には、炭酸カルシウムなどの成分が有効とされる。炭酸カルシウムを含むCO2吸収材をサンゴ移植の基盤に配合することで通常の基盤と比較して発育が促進されるかについて、1年以上かけて評価する。

 アサヒ飲料は、事業を通じて将来世代がワクワクするような社会を作っていくことにも挑み、同自販機にもその要素が含まれている。
 「例えば、CO2を吸収しながら、おいしいものが食べられるといったように少しでもワクワクを感じていただきたい」と語る。

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