駅弁を“EKIBEN”に 3社がスイス・チューリッヒの駅に出店
食品新聞 / 2024年12月23日 15時29分
花善、まねき食品、松浦商店は3社によるコンソーシアム「EKIBEN WORLD TEAM(EWT)」を立ち上げ、JR東日本グループの協力のもと25年2月にスイス・チューリッヒ中央駅で駅弁を期間限定販売する。
EWTは駅弁文化の継承と「日本の駅弁を世界のEKIBEN」にすることを目的に発足。日本文化と深くかかわる駅弁が、欧州の縮図とも言われ鉄道が発達するスイスで消費者にどのように受け入れられるかを調査する。
同プロジェクトは持続可能な海外でのビジネスモデル構築に向けた取り組みとして、農水省の「加工食品クラスター輸出緊急対策事業」にも認定されている。
スイスでは「EKIBEN JAPAN」の店名で、チューリッヒ中央駅の地下フロアに店舗を開設。パリのリヨン駅で販売実績がある花善は「鶏めし弁当」と動物性原材料を使わない「ベジ寿司弁当」を、まねき食品は「スイス牛の牛めし」と「幕の内弁当」を、松浦商店は「大えび天むす」と「みそかつ重」を販売する。
地域性を生かした駅弁を展開する価格帯は2100円から約4000円。当初は炊飯した冷凍米飯を国内から輸出し、食材を現地調達し調理する。将来的には、国内で調理済みの駅弁を冷凍にして輸出し、現地で解凍して提供するビジネスを検討する考え。各社から集まった3人の“職人”が現地で調理を指導。チューリッヒで日本食レストランを運営するWashoku AGが調理を担当する。今回の出店では1日150~180個程度の販売を目指す。
花善の八木橋秀一社長は「われわれにとって今回のスイスへの進出は最初のステップ。マーケティングとプロモーションが狙いだ。輸出がゴールになる」と説明。
まねき食品の竹田典高社長は「スイスは物価や生活水準が高く、日本食も親しまれている。特にチューリッヒ中央駅は欧州の要衝になっている」と出店の決め手を話した。
また、松浦商店の松浦浩人社長は「『名古屋めし駅弁』で世界に挑戦し、海外の方に伝統の味を世界の人に知っていただきたい。また訪日のきっかけを作り、名古屋めしを地元で食べてほしい」と抱負を語った。
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