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コーヒー 原材料高騰で正念場 円滑な価格転嫁と価値発信が急務

食品新聞 / 2025年1月13日 11時1分

コーヒー豆の国際価格が昨年、47年ぶりの高値に急騰したことでコーヒー業界は今年、正念場を迎える。

ニューヨーク商品取引所でアラビカ種の先物価格は、1ポンド(約453グラム)当たり300ドルの大台を突破、ロブスタ種も1トン当たり5000ドル(1ポンド当たり約227ドル)の大台を超え、これらに円安が追い打ちをかけコーヒー各社の収益を圧迫している。

大手コーヒーメーカーは昨年末、今年2月・3月に実施予定の価格改定を相次いで発表。コーヒーの持続的な安定供給に向け、価格転嫁を円滑に進めることとコーヒーの価値発信が急務となる。

1月8日、都内で開催された全日本コーヒー協会(全協)の賀詞交歓会では、円滑な価格転嫁と価値発信の必要性が共有された。

冒頭あいさつした柴田裕会長は「相場高・コスト高で本当にコーヒー業界は今年も大変厳しい年になりそうだ」と述べる一方で、業界挙げての価値発信について「今年もコーヒーの力、コーヒーの魅力をしっかり訴求するようなイベントを開催したい」と意欲をのぞかせる。

2月22日と23日に開催を予定する東日本コーヒー商工組合主催の「コーヒーサミット2025」にも触れ、「本当においしいコーヒーを提供する展示会、量より質のコーヒー展示会」とアピールして協力と来場を呼びかける。

島本憲仁副会長

コーヒーで乾杯の発声を行った島本憲仁副会長も業界を取り巻く環境について「アラビカ種の価格が300ドルを超えて、こんなに厳しい年初スタートは過去になかったと思う。新卒で34年前に今の会社に入社したときの相場はアラビカ種で84ドル、ロブスタ種で49ドル。今は4倍程度に高騰したが、価格(メーカーの出荷・販売価格)は4倍にはなっていない」と危機感をあらわにする。

コーヒーの価値発信については、各人が身の回りの人にコーヒーの魅力を伝える草の根運動を提唱する。

「一杯のコーヒーで休憩時間が素晴らしいものになる。身の回りの方々にしっかりとコーヒーの良さを言い続けてコーヒーラバーを増やしていくことが一番のコーヒー業界発展の道だと思っている」と呼びかける。

価格転嫁などについて国も後押しの姿勢をみせる。

同会で来賓あいさつした農林水産省の宮浦浩司大臣官房総括審議官は「次の通常国会に向けて価格転嫁を円滑に進めることと生産段階から消費に至るまでの食料システムの持続性を担保するための、皆さま方の取り組みを後押しするような法律を現在検討しているところ」と語る。

消費者庁の新井ゆたか長官は「人材育成のために必要な費用を投じられる業界になっていくことが食品産業・農業も含めて、これから非常に重要。その点について適正な価格水準をお願いしたい」と述べる。

サステナブルな原料調達による製品の価値が今一つ浸透していないことも指摘する。「サステナブルな世界についてモノを通じて気付けるコミュニケーションをもう一段充実させていかなければいけない。今年、まとめてみたい」との考えを明らかにする。

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