セブン-イレブンなど7社連携 家庭の廃食用油を燃料化 千葉のコンビニ・スーパー・マンションで回収
食品新聞 / 2025年1月16日 9時39分
セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)、イトーヨーカ堂、三井不動産レジデンシャル、ENEOSなど7社は、家庭で使い終わった食用油のリサイクルで連携する。回収場所は千葉県内のコンビニ3店舗、スーパー2店舗、大型マンション3棟(2000世帯)。当面は回収した油からバイオディーゼルを製造し、将来的に成田国際空港へのSAF(持続可能な航空燃料)導入を視野にサプライチェーンの構築を目指す。
千葉県総合企画部が7社の連携スキームを採択したもの。事業主体はセブン-イレブン・ジャパン。これまでスーパーでの事例はあったが、コンビニとマンションで家庭用の廃食用油を回収する自治体との実証事業は初の試みとなる。まずは9月末まで実施し、その後は検証結果を経て取り組みを継続・拡大したい考え。
国内の食用油は年間250万トンが使用され、うち業務用200万トンは廃油の再利用が浸透し処分量は約2万トンに抑えられているものの、家庭用50万トンの廃油はリサイクル率が低いため処分量が約8万トンと圧倒的に多く、社会的課題の1つになっている。
コンビニでの回収は初めて身近な店舗や住居から食用油のリサイクルを促進するもので、SEJの吉田希美枝サステナビリティ推進室統括マネジャーは「限りある資源の有効活用が重要性を増す中、家庭用の廃食用油を資源循環させることは社会的意義がある」と話す。
今回の実証事業では回収にリターナブルボトル(750ml)を使用。一般的なペットボトルは油が付着するとリサイクル工程に回せないことから、洗浄可能な専用ボトルを用意した。スーパーはイトーヨーカドー幕張店、ヨークマート成田店、コンビニはセブン-イレブン松戸常盤平駅前店など直営3店、マンションは幕張ベイパーク内の3棟に回収BOXなどを設置。新しいボトルは各所のカウンター等で渡す。
回収後は、本事業に参画する吉川油脂がリサイクルと引き渡し、野村事務所が回収の取りまとめ、三井住友銀行がプロジェクトのコーディネートを担う。ENEOSは27年以降に国内最大規模でSAFの製造を開始する予定で、成田国際空港等への供給を予定する。
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