カゴメ 「にんじん」価値を再訴求 感動的な甘さで購入を促進
食品新聞 / 2025年1月30日 10時49分
カゴメは、昨年に引き続き今年も「にんじんジュース」の販売を強化する。にんじんに含まれるβ-カロテンの健康・美容価値、にんじんジュースならではのおいしさや原料価値を発信することで野菜飲料全体の活性化につなげる考えだ。
数量限定「プレミアム」発売開始
同社は、にんじんジュースとして「にんじんジュース 高β-カロテン」(200 ml紙、720ml PET)、「同プレミアム旬の極甘」(195ml紙、720ml PET)と、通販限定の「冬しぼり」(160g缶)、他の国産野菜も入った「つぶより野菜」(195gカートカン、130gカートカン)などを揃えており、今年度は28日から「プレミアム」を数量限定で発売した。
畑迫亜季主任「プレミアム」は、北海道や茨城県等の香り豊かな加工用の旬の国産にんじんだけを100%使用し、雑味の少ない味わいを実現したフレッシュ・スクイーズ製法で仕上げ、できる限り熱を加えないため、本来のおいしさと栄養(β-カロテン)を残している。
「プレミアム」のこだわりについて飲料企画部の畑迫亜季主任は、「にんじん作りに適した寒い気候を生かし、肥沃な大地で育った香り豊かな旬な国産冬にんじんだけを使用していることで旬な甘さを実現。フレッシュ・スクイーズ製法により雑味が少ない、にんじん本来の味わいを実現。感動的な甘みへの評価が圧倒的に高く、にんじんだけなのに、こんなにおいしいの?という驚きが、昨年のお客さんの購入に繋がった」と言う。
国内最大規模の那須工場
にんじんの選別作業北海道や茨城県、千葉県などで収穫された「プレミアム」用のにんじんは、パレットに積まれ、トラックで那須工場(栃木県那須塩原市)に運ばれる。「1961年操業の那須工場は、年間生産量約1780万ケース、約4億本を製造するカゴメ最大規模の工場だ」と高田貴志工場長。全国6工場のうち最大規模を誇る。夏(7~9月)はトマト約1・8万t、冬(10~3月)にんじん約1万tを加工する。
にんじん加工エリアの主な工程は荷降ろし、ホッパー(投入)、上昇コンベア・土砂ブラシ、高圧ジェット・第一剥皮、第二剥皮・選別(筒状のヤスリを回転させながら、にんじん表面の皮を削り取る)、破砕、フレッシュ・スクイーズ搾汁、パルプ摩砕(搾汁後、パルプも摩砕され、飲料や食品の加工原料として活用される)。選別工程では、にんじんの傷んだ部分や色、変色などを人手を使って検査する。
にんじんの皮以外は、加工品として無駄なく商品に使用。皮を削ったにんじんの濃縮人参果汁は、「つぶより野菜」や「にんじんジュースプレミアム」に、人参パルプは「つぶより野菜」や「野菜生活」系飲料、中濃・とんかつソースなどに使われる。皮や最終搾りカスは100%肥料や飼料として100%再資源化している。
那須工場のパッケージングエリアには缶ライン、紙パックライン、アセプティックPETラインがあり、このうちアセプティックPETラインはヒーティング、ブロー、滅菌、洗浄、充填、キャップの工程で進み、紙パックラインは充填、検査、ストロー添付、箱詰め・出荷の工程で進む(充填機4基合計で1分間に500本充填)。
なお、「プレミアム」の販促として、今年も驚きの甘さとにんじん原料の価値を伝えるためのコミュニケーション活動を強化。社員自らが店頭に立ち、店頭試飲活動や国産にんじんを配布。にんじんの販促ディスプレイの規模も拡大する。また、新たにブランドサイトを立ち上げ、「感動的な甘味」をキーワードに商品の価値を伝える。
デジタルを活用したPRルーム
高田貴志工場長那須工場では、コロナ感染拡大により工場見学を休止していたが、昨年夏に見学者向けPRルームを新設し、見学を再開した。室内には大型タッチモニターを設置し、知りたい情報を能動的に学ぶことができるデジタルコンテンツを用意した。
「カゴメらしさをいかに表現するかを重点にデザインした」と高田氏。全体のデザインは、野菜の会社らしい明るいナチュラルトーンの空間とし、中央に大きなトマトの樹をモチーフにしたオブジェ、窓側には3つの野菜のオブジェを配置し、フォトジェニックな楽しさを演出した。大型モニターにはトマト畑、にんじん畑、360度の動画放映、新たな試みとして画面がタッチパネルになっており、デジタルコンテンツを採用した。ベジチャックや野菜のクッションを模した籠を用意するなどフォトジェニックな楽しさも加えた。2024年8月~25年1月の来場者は約3000人。今年度は年間7千人を目指す、お土産には紙パック飲料2本をプレゼント。
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