家庭用塩 市場は減速へ逆戻り 巣ごもり一服、家庭内在庫過多か
食品新聞 / 2022年8月19日 13時37分
料理の味付けや食材の下処理などに欠かせない家庭用塩の市場は、再び減速局面に入った模様だ。人口減少と少子化、年々強まる健康志向を背景に“減塩”傾向が定着しマーケットは縮小の一途をたどっていたが、20年の新型コロナウイルス禍で販売環境が好転。外出自粛やテレワークにより内食需要が増加し、家庭での塩の消費量も伸びて前年比4.3%増と上向く兆候を見せた。
しかしコロナ禍2年目に入ると巣ごもり消費による恩恵が小さくなり、インテージSRI+データによると、食用塩の21年の市場規模(販売金額ベース)は前年比1.6%減の155億円と失速。22年も1-7月は前年同期比6.2%減の85.1億円と盛り上がりを欠いている。
今年に入ってからの減少要因について、インテージ市場アナリストの木地利光氏は「今年3月下旬にまん延防止等重点措置が解除され、外出増に伴い巣ごもり需要が縮小したことに加えて、値上げの影響により買い控えも起きたこと」を挙げる。また「コロナ疲れ」から冷凍食品や簡便な調理アイテムが台頭。料理機会の減少を招き、「家庭用塩離れ」が生まれているとの見方も浮上している。
標準的な塩製品は、賞味期限がなく長期保存が可能だ。このため、コロナ禍初期に購入した塩が「まだ各家庭に『在庫』として残っている可能性がある」(大手家庭用塩メーカー担当者)ことも販売が伸びない一因という観測もある。
一方で、19年(151億円)比でみるとコロナ前をやや上回る水準と健闘している。けん引役を担っているとみられるのは岩塩や焼塩タイプといった付加価値のあるアッパー系。特に岩塩は挽きたてが味わえるミル付きが人気で、17年比では41.4%増と大幅に伸長している。健康志向の高まりを受け「塩分の摂取を控える動きもある中で、ミネラルを豊富に含む点」も注目ポイントのようだ。
このほか、ご当地色豊かな藻塩や、抹茶、柚子など一味違うフレーバー系といったバラエティに富んだ「個性派」も、量販店や小売店の売場活性化や新規ユーザーの獲得に一役買っている。
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