泉平 環境対応車導入強化 エンジン停止中も庫内温度維持
食品新聞 / 2022年10月28日 12時21分
業務用卸の泉平は、環境対応車の導入を加速させる。22年度にハイブリッドトラック17台を導入するほか、エンジン停止時も電力供給が可能で庫内温度を維持する世界初とされる「HVバッテリー電力供給式電動冷凍装置搭載車両」を、まずは今期(23年3月期)中に5台導入し、25年度までに10台、30年までに60台(導入率40%)に増やす計画だ。泉周作社長が22日に兵庫県姫路市内で開催した展示会で発表し、会場内で披露した。
装置は通常のトラックのバッテリーを使用するが、従来までの冷凍機と違う点は、エンジン停止中もHVバッテリーの電力によるバックアップ運転で庫内温度を維持すること。また、常時フルパワーの作動で冷却能力が向上しているという。
これにより、得意先のセンターなどでの納品・待機時などでエンジンを停止できるので、温暖化ガスの排出削減に寄与でき、燃料消費量も削減できる。
また、庫内の乾燥機能付きなので、搬出時に発生する結露を最短1時間で乾燥でき、復路便でドライ荷物を輸送するなど、事業の選択肢が広がるという。
51回目となった「IZUHEI FOOD FAIR」は、同社主力業態の学校給食、メディカルの提案コーナーのほか、全業態に向けたデジタル発注の体験コーナーで、得意先の発注業務負担を削減する「Izuhei Customer Website」(ICW)を開発し提案。得意先は既存の栄養ソフトを使用し、ICWサイトにアップロードするだけで数量の変更や追加発注も簡単にできる。現在はFAXのやり取りのため、双方の負担が大きい実情がある。同社は人手不足解消の提案をより具体的に進めていく考えだ。
そのほか、81社のメーカーが新商品などを提案した。来場者数は約1千人。
原材料高騰による値上げに関して泉社長は「当社の取引先に値上げを拒否する企業はなく、それよりも安定供給や人手不足への危機感が強いと感じている。デジタル発注の提案などを通し、得意先とより深い関係を築き、環境対応などを含めた持続可能なフードサービスを構築していく」と抱負を語った。
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