1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「にいがた酒の陣」復活! コロナ下の大幅な規模縮小で手応えと課題

食品新聞 / 2022年12月2日 9時43分

新潟県酒造組合が主催する「にいがた酒の陣」が、新たな形式で3年ぶりに開催された。コロナ禍が続く状況のもと、完全前売りの定員制とし、入場にはワクチン接種証明などを求めるなど、感染症対策を徹底しながらの実施となったが、チケット(税込3千500円)は約1週間で早々に完売。イベント自体も出展社・来場者からおおむね好評で、「『にいがた酒の陣』のブランド力は健在」(組合)と手応えを感じている。

同イベントは、かつては2日間で14万人を集客する国内最大級の日本酒イベントだったが、コロナ禍で20~21年は中止を余儀なくされた。県内外からの交通・宿泊・飲食など「30億円以上」(新潟大学・岸保行准教授)とも試算される経済効果が喪失したインパクトは大きい。そして何よりも、2004年に新潟の清酒メーカー有志が手作りで始めたイベントが回を重ねて成長し、愛飲家と盛大に交流するまたとない機会が失われたことが痛手だった。

「酒の陣」復活への第一歩は、21年11月、久しぶりとなるリアルイベント「新潟清酒酒場in大かま」を実現したことだ。来場者全員の抗原検査、1回の定員200人、2時間入れ替え制など、感染症対策を最優先する形で行った。制約が多い中であったが、従来の課題だった混雑は緩和され、ゆとりを持って試飲を楽しむ様子が見られたという。

それらの経験を踏まえ新たに「にいがた酒の陣 NEXT」と銘打ちリニューアル、22年10月8~9日の開催(会場:万代島多目的広場大かま)に漕ぎ着けた。ブース出展した酒蔵は74社(各日で半数を入れ替え)となる。午前・午後の2部制。1回の定員は750人、合計3千人が来場した。

4回とも入場待ちの長い行列ができ、開始を約10分早めることになったが、復活を待ちわびたファンの期待の高さがうかがえた。場内は座席がない代わりに人数分の立ち席を用意。参加者はおのおのの方法で飲み比べしたり、蔵人とのコミュニケーションを楽しんだりした。組合は「新しいスタイルで実施できた意義は大きい。来場者からも好意的な反応をいただけた」とする。

一方、課題は規模を大幅に縮小したことで、イベントとして収支がマイナスになったことだ。昨年の「新潟清酒酒場」、今回の「にいがた酒の陣 NEXT」とも地元行政の補助金を活用している。3年前までの「酒の陣」はイベント単体で黒字だった。現状は取り巻く環境が激変したためやむを得ないにせよ、「将来的に自立して継続開催するには様々なことを検討していく必要がある」(組合)。

「にいがた酒の陣」は、地方の業界団体による振興イベントとして全国屈指の成功例である。その事実は19年以前の盛況ぶりを体感していれば疑いようがない。実は幻となった20年3月の「酒の陣」は、混雑緩和を目的に「飲み放題」から試飲チケット制への変更を決め、本来の趣旨である「酒蔵の想いを聞きながら酒を味わっていただく」に沿った形を目指していた。コロナ禍で図らずも大きな変化を余儀なくされたが、新しい形式で真に復活した姿を描けるか、今後の動向が注目される。

「にいがた酒の陣」復活! コロナ下の大幅な規模縮小で手応えと課題は食品新聞 WEB版(食品新聞社)で公開された投稿です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください