大豆ミート「トレンド期」から「定着期」へ 25年に市場規模40億円へ 8社が方針
食品新聞 / 2022年12月16日 11時16分
「第4のお肉」と言われる大豆ミート市場を牽引する8社は、このほど大豆ミートの取り組みをプレゼンテーションし、売上好調の背景を説明した。主催会社のスナップディッシュによると、現在の大豆ミートの市場規模は25億円、2025年には40億円まで拡大すると予測。「コロナ禍での健康志向の高まりや、今年前半の輸入肉の高騰、いわゆるミートショックなどの様々な影響により、ますます注目が高まっている」。そこで主要8社は、これまで実施してきたプロモーションや商品開発、試作などを説明するとともに、駒澤大学から各務洋子教授と各務ゼミのメンバーも加わり、Z世代ならではの大豆ミートに関する取り組みを発表した。
「今年は食品の値上げラッシュが大きなトレンドとなり、これを契機に食の見直しが進んだ。見直しは、節約志向と、しっかり吟味して良いものを選ぶ志向に二極化し、大豆ミートは良いものを選ぶニーズにマッチした」と同社。「2019年から20年はトレンドの兆しだったが、21年から22年にかけては量的拡大がみられ、前年比334%成長し、定着に移行した」。背景として、ヘルシー志向や認知拡大に加え、外食やスーパー店頭で選択肢として大豆ミートを選ぶ機会が増えたことを挙げている。
4月と11月の定点観測した結果、高タンパクでヘルシーが購入理由に挙がり、4月は話題性があり環境に配慮している人が多かったが、11月は備蓄性が高い、おいしいなど話題性よりも実用性が伸びてきた。反面、「使い方が分からない」「値段が高い」「おいしくなさそう」などの課題も浮上し、今後は体験を実感してもらう、汎用性の高い使い方を浸透させる、求めやすい価格にすることで浸透を図る方針を示した。
プレゼンテーションの中でグリーンカルチャー社は昨年、主に外食向けに販売した「グリーンミート」の流通が10倍に膨らみ、法人全体の売上は200%を達成。今年7月から小売向け販売を開始した。
各社の大豆ミート製品丸大食品は、22年度から同社初の植物性素材だけにこだわったプラントレシピシリーズ3品を発売。電子レンジで簡単に作れることにこだわった。ヴィーガンやベジタリアンフード専門「かるなぁ」は、大豆ミートをはじめ様々なプラントベースフードを外食やホテル、機内食、JRなどで業務用を中心に展開。国産大豆を100%使用し圧搾製法で油を搾油した小売向け「クイックソイ」も好評。来年は大豆ミートのツナ缶、コンビーフ缶の販売を予定。
2015年から「ダイズラボ」ブランドを立ち上げたマルコメは「トレイパック」の販売に注力。従来は加工食品、農産乾物、日配、豆腐売場で販売してきたが、来店客の立ち寄り率が高い精肉売場で販売。2030年までにスーパーの半分での販売を目標にしている。大塚食品の「ゼロミート」は、今年はより身近に感じてもらえるよう、子どもから大人まで人気のドラえもんをはじめとした藤子・F・不二雄とコラボしている。外食展開では、デニーズはゼロミートパワーサラダを全店でグランドメニュー化。9月には合い挽きハンバーグをゼロミートに置き換えた。市販用、業務用の取り組みにより、この1年で約3倍に体験できる機会が増えた。
ネクストミーツは、焼肉タイプなどを発売し、現在は幅広いチャネルで広がっている。「認知は上がっているが購入していない」という課題もあり、おいしい体験を増やすため今後は外食に力を入れる。昨年立ち上げたベンチャー企業Tastableの「NIKUVEGE(ニクベジ)」は、100%植物性のプラントミート。新しい食材として定着することを目標にしており、非加熱の業務用製品をレストランを中心に販売し、家庭用2品の発売も検討している。国産大豆を100%使った豆腐を原料にしているトーフミートは、通常の豆腐の約5倍の高タンパク質で、臭みがなく、海外でも非常に人気だと言う。
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