昭和冷凍食品 たこ焼ライン増設 30周年に向け体制強化
食品新聞 / 2022年12月26日 15時3分
昭和冷凍食品は、需要が高まっているたこ焼の製造ラインを本社工場(新潟市)に増設し、2023年3月から生産開始する。このほど専門紙向けに記者会見を開き、金子敦社長は「2ライン体制で需給に応じた計画的な生産が可能になる。現在タイトな状況になっている従業員の働き方を改善していきたい」などと話した。
1~11月の業績は、売上高は価格改定の効果もあり102.4%となったものの、経常利益はエネルギーコストなどの増加により51%と半減した。「12月通期は増収減益の見込み」(金子社長)。
商品別の販売動向は、「たこ焼」が104%と順調。主力の業務用に加え、昨年から本格的に取り組む家庭用で「SHOWAぼてぢゅうたこ焼」の動きが良かった。専門店品質の味が支持され、売場での定着率は高い。「
ワンタン・ラビオリ」は暖冬が影響して伸び悩み。
「プチケーキ類」は外食・ホテル関連が回復傾向も微減。
委託生産品の「今川焼・たい焼」は生協の共同購入を中心に120%と伸長。
「冷凍パン生地」はスーパー等の内製化などを背景にマイナス。 金子敦社長
23年は創立30周年の節目を迎える。さらなる事業成長を目指す一環として、丸たこ焼の製造ラインを増設する。生産能力は月間60万粒。現在は大袋タイプが主体だが、家庭用で売れ筋の小容量製品の対応も視野に入れる。来年3月以降、2ライン体制で最大の供給量は現行比2倍となる。なお既存のたこ焼ラインのフリーザー更新もあわせ、投資額は約3.6億円。
一方、コスト高の進行で経営環境はさらに厳しくなるとみており、家庭用は23年3月1日から約6~22%値上げする。業務用は、年明けから価格改定の商談を始めていく。
今後の方針について、金子社長は22年に実施した価格改定後もたこ焼など量販店向けデリカの販売が堅調なことを例に挙げ、「当社は業務用ユーザーと品質にこだわって共同開発したオーダーメイドの製品を数多く展開している。引き続き国内製造の強みを生かし、レスポンス良くきめ細かな対応を心掛けていきたい」などと話した。
23年春に向け、家庭用は「ひとくちホットケーキ」シリーズ2品を改廃し、新たに「ひとくち」タイプのドーナツとアメリカンドッグを発売予定。
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