キリン「生茶」に革新 画期的な電飾販促物 光るメタリックラベル 伝えたい「おいしさのテクノロジー」
食品新聞 / 2023年4月5日 5時0分
キリンビバレッジは緑茶飲料の「生茶」ブランドに革新性を持たせたリニューアルとコミュニケーションを実施して緑茶飲料市場の活性化に貢献していく。
「生茶」は前期(12月)、前年比2%増の販売数量を記録したものの、各社が価格改定に踏み切った昨年10月以降、PBへの流出が顕著にみられるなど厳しい展開を強いられている。
取材に応じたマーケティング部ブランド担当の飯髙宏美さんは「『生茶』に振り向いてもらいたいが、今の状況は『生茶』が新しくなったという発信だけではなかなか難しく、緑茶飲料市場の期待値を上げるようなことをしていかないと生き残れない」と危機感を募らせる。
緑茶飲料市場の期待値とは「ペットボトル(PET)で飲むお茶のよさを感じていただく」ことを意味する。
このことを踏まえて「生茶」本体(緑茶)の味覚とパッケージを刷新し4月4日に発売開始する。あわせて「生茶 ほうじ煎茶」もパッケージのみ刷新する。
リニューアル発売を機に「生茶」のDNAとする品質と革新性を伝えきることに注力しPETのお茶に対するイメージを魅力的に刷新していく。
「リニューアルの着眼点は2つあり、1つ目は長期トレンドでみると品質を大事にされるお客様が多い点。2つ目は飲まれ方で、お家で温かいお茶をゆっくり飲むという静的なイメージから、今はPETでサッと飲むといった動的なイメージに変わってきている。この2つに着目して“今の時代にあった本格緑茶”をメインコンセプトに定めた」と説明する。
品質の観点では「生茶」本体の中味を、本格緑茶と飲みやすさのバランスを調整して刷新した。
「お茶感が強すぎると苦味・渋味で飲みづらくなり、飲みやすくしすぎるとお茶感が損なわれてしまうため、そのバランスをいろいろ調整して、お茶感がありつつ飲みやすくした」という。
手に取られる瞬間に“キラッ”と光るパッケージをアピールするキリンビバレッジマーケティング部ブランド担当の飯髙宏美さん 動的イメージの付与の取り組みとしてはパッケージをメタリック調のラベルに進化させて革新性を打ち出した。
その開発にあたり「お客様が手に取られる瞬間や、店頭でパッと見られる瞬間に“キラッ”と光るように、複数のデザインをはじめ、インクや色合いなど最後のギリギリまで検討した」と振り返る。
自販機にも光沢感のあるダミーを導入するほか「あらゆるところで『生茶』の登場感をお伝えするツールを用意している」。
コミュニケーションはTVCMやSNS施策、店頭販促など多岐に展開。TVCMは「“Hello”が印象的に残る内容で、今の時代にあった本格緑茶を伝えるべく開ける感じの世界を表現していく」。
SNS施策ではTwitterで新しくなった「生茶」が当たるフォロー&リツイートキャンペーンを展開。
「生茶」のPET飲料ならではの独自技術を伝える販促物店頭では画期的な電飾販促物や、手淹れのお茶にはない「生茶」のPET飲料ならではの独自技術を伝える販促物を用意している。
独自技術を伝える販促物は「おいしさのテクノロジー」と題して、「生茶葉鮮度搾り製法」と「かぶせ茶マイクロ粉砕」を分かりやすく訴求。
「かぶせ茶マイクロ粉砕は2016年から採用している。生茶抽出物は2000年から使用しているが、芯まで凍結し鮮度を保った生茶葉をまるごと使用したのは16年から。この2つの技術を改めてお伝えすることで、現代的にアップデートしているブランドであることを浸透させたい」と語る。
環境フラッグシップブランドの位置づけに変更はなく、「生茶」本体と「生茶 ほうじ煎茶」では再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」を順次拡大するほか、ロールラベルも新たに採用し環境に貢献する取り組みを推進していく。
主力2品以外の動向については「生茶 カフェインゼロ」は昨年、リニューアルによってECで好調に推移し2ケタ増の販売数量を記録。「規模はまだ小さく幅広く配荷できていないが、固定のお客様に支えられて、昨年も価格改定の影響を受けずにじわりと伸ばしている」と述べる。
キリン独自素材のプラズマ乳酸菌を1000億個配合した“健康な人の免疫機能の維持をサポート”する機能性表示食品「生茶 免疫ケア」は茶葉のあまみ引き立つすっきりとした味わいに刷新され、3月21日から発売されている。
発売と同時に満島ひかりさんを起用した新TVCMを順次放映し「生茶 免疫ケア」を訴求している。
新商品の投入も予想され、「生茶」ブランドは今期(12月期)、前年比15%増の3230万ケースの販売を目標に掲げる。
【写真】キリン「生茶」の画期的な電飾販促物
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