「い・ろ・は・す」新容器で若年層の心をつかむ 見栄えによる驚き創出 価値浸透へマーケティング強化 コカ・コーラシステム
食品新聞 / 2023年5月7日 6時7分
平たくたためる新ボトルの「い・ろ・は・す 天然水」(540ml)が昨年12月に全国発売され、容器の目新しさで若年層の心をつかみ「い・ろ・は・す」ブランドの成長に寄与している。
取材に応じた日本コカ・コーラの小林令奈マーケティング本部ウォーター事業部ブランドマネジャーは「浜辺美波さんを起用したTVCMのおかげで若い方からのリアクションが非常にいい。リアクションが一番大きかったのが容器の見栄えで、そのプラスのリアクションとして驚きが非常に多かった」と語る。
新ボトル効果で「い・ろ・は・す」ブランド全体の販売も上向く。
「小型容器・大型容器ともに伸びている中で、一番の牽引役が小型容器の新ボトルで小型容器が非常に好調」と説明する。
日本コカ・コーラの小林令奈マーケティング本部ウォーター事業部ブランドマネジャー今年は、実質初年度の展開となる新ボトルに最注力していく。
「導入したばかりの新ボトルに引き続き注力してキャンペーンやコミュニケーションなどを検討していきたい」と意欲をのぞかせる。
競合商品との中味の差別化が難しい「い・ろ・は・す 天然水」では、価値伝達を課題に掲げる。
「天然水は中味の差別化が一般消費者の方には分かりづらく“『い・ろ・は・す』には、こういう素晴らしいこともある”ということを伝えていくことが今後大きな課題になる」との見方を示す。
新容器は、天然水がスムーズに口の中に流れこみ、飲んだ後も簡単に平たくたためるのが特徴。
前身容器と同じく100%リサイクルペット(PET)素材を使用し、リブ構造(溝)をなくしても容器に必要な強度を確保できるスパイラル構造を採用。これにより容器肩部をなだらかな形状にし、これに沿って天然水がスムーズに流れるように仕立てられている。
容量を540mlとし従来容器の555mlから減らしたのは、デザイン性と飲み心地のよさを考慮した肩口デザインの形状を実現するため。
平たくたためる構造でリサイクル工程の効率も向上させた。
横方向からの圧力で簡単に平たくできるほか、たたんだ後の容積を現行容器と比較して約2割小さくでき、資源回収、洗浄などのリサイクル工程がより効率的になるという。
そのほか、ラベルを下部に配置し洗練感のあるデザインも特徴となっている。
「い・ろ・は・す」くだものフレーバーウォーターシリーズ新ボトルを導入した「い・ろ・は・す」くだものフレーバーウォーターシリーズ(540ml)の販売も上向いている。
これには「フレーバーウォーター市場が縮小している中で、『い・ろ・は・す もも』が定番商品として引き続き安定的に推移し、『い・ろ・は・す シャインマスカット』も伸びている。やはり新ボトルの見栄えの変化にインパクトがあり注目をいただいているのだと思う」とみている。
健康のアプローチでは、「アクエリアス」「ジョージア」「ミニッツメイド」とのブランド横断の取り組みとして機能性表示食品「い・ろ・は・す プラズマ乳酸菌 免疫ケア」を3月6日から北海道・北陸・長野エリアで発売している。
同商品の発売は生活者の健康意識の高まりを背景に、ここ3年で免疫を訴求する機能性表示食品が急成長していることに着目した動きとなる。
日本コカ・コーラは、親しみのあるブランドと飲みやすいおいしさ、様々なシーンに対応したラインアップといった切り口で免疫対策の習慣化を促していく。
免疫を訴求する機能性表示食品が増え、免疫維持の大切さの認識が広まる一方、健康のための習慣化が難しい点を課題に掲げる。
日本コカ・コーラは、この課題を解消すべく検討を重ねて「い・ろ・は・す」を展開のブランドの1つに選定した。
初動については「まずまずの手応え」と述べる。
環境対応として2020年から展開している「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」は、ECチャネルで絶好調という。
「ご家庭でのまとめ買いニーズやストックニーズに対応して非常に好調。ラベルがあると、リサイクルしにくくなり、また、剥がす手間がかかるということで、ラベルレスを知って下さったお客様はずっとリピートして下さる傾向にある」と説明する。
ラベルレスの容器は、うねりのある新形状の容器を採用し、緑色のキャップと相まってラベルレスでありながらも「い・ろ・は・す」ブランドであることが分かるようになっているのが特長。胴体部分にはブランドロゴが大きくエンボス加工されている。
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