伊藤忠食品 大阪の商店街と連携 高齢者の買物を支援
食品新聞 / 2023年8月11日 17時59分
大阪市の駒川商店街(東住吉区)は伊藤忠食品が展開する配送インフラを活用し、当日宅配サービスを始めた。
同商店街は天神橋筋、千林と並ぶ大阪三大商店街の一つ。南北約750mにわたるアーケードに約200店が軒を連ねる。精肉店や青果店など生鮮食品を扱う店が多く、品揃えに特徴のある肉やスーパーよりも安い野菜を求め、遠方からも多くの買い物客が集まる。
一方で、顧客の高齢化が進み「最近は買い物したものを持って帰るのが困難という問題が表面化していた」(駒川商店街振興組合・小松和也事務局長)という。その中で偶然、伊藤忠食品との縁があり、今回の宅配サービスが実現。5月中旬、開始に至った。
利用者は商店街で購入したものを組合の事務局まで持参する。15時半までの受付で、配達エリア内(半径2㎞圏内)の自宅へ当日中に配送。1回5個口までは500円(税込)。毎週火曜日と年末年始は休む。
配達エリア内の人口は約21万人で、65歳以上が約4分の1を占める。
大阪三大商店街のひとつ駒川商店街課題の一つはサービスの認知度を高めること。若年層と異なり、SNSに慣れていない世代へどうアプローチするか。まずは、コメや水などの重いものを扱う商店と連携し、知名度アップに努める。「秋の売り出し期間に連動させ、ポスティングなどを通したPRに力を入れる」(同・寺世基宏専務理事)。
もう一つの課題が低温食品の扱い。需要が増えれば、事務局内に保管用の冷蔵庫を導入することも視野に入れる。「伊藤忠食品と連携することで商店街だけでは難しいサービスを実現できた。買い物客の利便性を高めるとともに、来街者の増加と地域の活性化につなげたい」(寺世専務)。
伊藤忠食品は07年から宅配サービス事業を開始しており全国のスーパーや百貨店など7社で実施している。商店街との取り組みは今回が初めて。
同事業を担当する西日本営業本部の東郷哲也課長補佐は「地元に密着した商店街にアプローチし、事業を広げたい。運ぶ量が増えればコストも下がる。そういう状況に持っていくことが大事」としている。
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