キーコーヒーから「ココロをノックする」新ブランド登場 情緒的価値を加えて新規・若年層獲得へ種まき
食品新聞 / 2023年8月15日 19時15分
キーコーヒーからこの秋、「ココロをノックする、しあわせ合図。」をコンセプトにした新ブランド「KEY DOORS+(キードアーズプラス)」が登場する。
新ブランドは、200g以下容量帯のレギュラーコーヒーで売上No.1ブランドの「PREMIUM STAGE(プレミアムステージ)」をリブランディングしたもの。簡易抽出型コーヒー「ドリップ オン」シリーズなども新ブランドの傘下に置き統一を図った。
おいしさ・品質に磨きをかけて既存ユーザーをつなぎとめつつ、将来のブランドの成長を目指し、その種まきとして情緒的価値を加えて新規ユーザーとなる20・30代若年層の獲得を図っていくのが目的。
キーコーヒーの田中正登志マーケティング本部長(中央)、菊地恵一市場戦略部長(右)、小笹明子R&Dグループ設計第一チームリーダー8月2日発表した田中正登志マーケティング本部長は「品質価値を当たり前と捉え、共感いただけるような商品・ブランドを提供していく。情緒的な部分や新しいライフスタイル・シーンの中で“自分の近くにいてほしい商品”というものが1つの価値として必要になってくるのではないかと感じている」と語る。
新ブランドコンセプトについて、菊地恵一市場戦略部長は「目まぐるしく変化する世の中で、どこかで自分らしさを取り戻す時間を持ってほしいと感じている。そのときに『キードアーズプラス』がそっと寄り添いお役に立ちたい」と説明する。
「キードアーズプラス」の「プラス」には「ココロをノックして扉が開かれたときに、少し前向きな心持ちになる」との思いを込めた。
若年層を開拓するにあたり、ゼロベースで新ブランドを立ち上げるのではなく、リブランディングを選択したのは「家庭用レギュラーコーヒーで若年層を取り込むのは非常にハードルが高い。どちらかというとインスタントコーヒーや缶・PETといったRTDコーヒーからコーヒーにエントリーされる」との見方によるもの。
既存の「プレミアムステージ」や「ドリップ オン」では、60・70代を中心とする高齢者層に買い支えられており、若年層の購買率の低さが中長期的なブランド成長の課題となっている。
加えて「プレミアムステージ」「ドリップ オン」ともに商品ブランドの認知度が低いことも「大きな課題」と捉えている。
このような課題を踏まえ、リブランディングでは、味・香りに磨きをかけて60・70代の既存ユーザーに引き続きアプローチしていくとともに、中・長期的な視点で若年層の取り込みを図っていく。
「おそらく5年、10年かかるかと思うが、今から若年層に向けてアピールしていかなければならない」と述べる。
コミュニケーションターゲットを20⁻30代と定めるコミュニケーションターゲットを20⁻30代と定め、SNSと売場の両方でアピールしていく。SNSでは新たに起用するアンバサダーから品質も伝えつつ独創性やインスピレーションも伝えて情緒的価値を訴求していく。
売場では、9月から来春にかけて“キートラック”のネーミングの宣伝車両が全国のスーパー・量販店を順次訪問してサンプリングと試飲イベントを実施していく。
商品面では、「プレミアムステージ」の中でも主力の「スペシャルブレンド」「モカブレンド」「キリマンジャロブレンド」の3アイテムの味わいをブラッシュアップした。
小笹明子R&Dグループ設計第一チームリーダーは「原料品質・ブレンド・焙煎を全て見直した。原料品質に関しては全体的に底上げを図り、『スペシャルブレンド』は味の軸足を守りながらより上質な味わいへと刷新。そのほかの2つは、それぞれの風味特徴をしっかり立たせるようなブレンド・焙煎手法を採用した」と胸を張る。
「スペシャルブレンド深煎り」一番の旗艦アイテムとなる「スペシャルブレンド」からは新たな味わいの「スペシャルブレンド深煎り」を投入してラインアップも強化する。
同商品は、40代以降も20・30代も深煎りで苦みのあるコーヒーを好む傾向にあることを受けて開発。「『スペシャルブレンド』の配合のまま深煎りにじっくり焙煎しており、穏やかな苦味と深みのあるコクを引き出した」という。
「キードアーズプラス」全体のパッケージデザインは、「プレミアムステージ」のカラーリングを踏襲し、認知度の高い鍵のき―コーヒーロゴを大きくあしらい、既存ユーザーに向けて鮮度感を高めつつ、「キードアーズプラス」のゴロをキーコーヒーロゴとは異なる縦方向に配置することで新ブランドであることも表現している。
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