「ブレンディ」スティック全16種類が束になって大規模展開 背景に進む嗜好の多様化 “わたし好み”が見つかる施策満載
食品新聞 / 2023年9月3日 9時46分
味の素AGF社は「ブレンディ」スティック全16種類を前面に押し出したマーケティング活動や店頭活動を大規模展開して好調に推移するスティック市場を力強く牽引していく。
「ブレンディ」スティックは2020年に全種類のブランドロゴをグリーンに統一して大刷新。当初の狙いである「ブレンディ」のブランド力強化などで一定の成果が得られたことから、今回、新規顧客獲得や買い回り促進などを目的に各種の個性を表現したパッケージへと改め成長の第二ステージに突入する。
8月1日に設立50周年を迎えたAGF。8月30日発表会に臨んだ竹内秀樹社長は次の50年に向けて「(「ブレンディ」スティックで)将来的にはトータル嗜好飲料のパイオニアとして大きく挑戦していきたい」と意欲をのぞかせる。
「ブレンディ」スティックは、小世帯化が進み、食においては家族で同じものを分け合う時代から、それぞれが好きなものを選ぶ個食化が進行する環境の中で2002年に誕生。
味の素AGFの竹内秀樹社長以降、おいしさを科学的・客観的に“見える化”する“おいしさの科学”を活用して生活者の多様な嗜好に寄り添いラインアップを拡充してきた。
今回、嗜好の多様化が進んでいることを背景に、マーケティングと店頭活動で原点回帰を図り各種の魅力をアピールしていく。
コンシューマビジネス部の桐山雅亘氏は、嗜好の多様化が加速していることを指摘。「生活者の価値観やライフスタイルが多様化していることに伴い、嗜好飲料に対する生活者のニーズも物凄く多様化している」との見方を示す。
「ブレンディ」スティックでは、このような生活者のニーズに寄り添うべく、各種のパッケージをカラフルなデザインへと改めるほか新コミュニケーションを展開して「『ブレンディ』スティックには16種類の多彩なおいしさがあることをアピールしていく」。
味の素AGFコンシューマビジネス部の桐山雅亘氏「ブレンディ」スティックは、ブランド認知は高い一方で、豊富なバラエティを取り揃えている点の認知は今一つの状態となっている。
新コミュニケーションは、豊富なバラエティに気づいてもらうべく“わたし好みのオレにしよう。”をキーメッセージに掲げる。
「ブレンディ」スティックの主要購買層は30・40代主婦。今回のリニューアルで既存ユーザーの複数品種の買い回り促進に加えて新期ユーザーを獲得すべく、若年女性をコミュニケーションターゲットに設定する。
10月下旬に新TVCMの公開を予定。
「ブレンディ」スティック16種類そのほかにも「これまで『ブレンディ』スティックを手に取られなかった若年層にもしっかりメッセージが届くように複数のデジタル媒体を積極的に活用していく」との考えのもと、テレビアニメ「おねがいマイメロディ」シリーズに登場する主人公の「マイメロディ」とそのライバル的存在の「クロミ」とコラボ。「ブレンディ」スティックのカプセルトイ化も予定している。
このような積極的なコミュニケーションを通じて「“私向けのブランド”と思っていただけるようにしていく」。
店頭に向けては全16種類取り扱ってもらう気概で営業活動を展開。専用什器に複数種類の小箱タイプ(8本・6本)を並べるコーナー化も強化して店頭でも豊富なバラエティを知らしめていく。
「複数の小箱タイプを並べていただいて複数買っていただくことを促進するような販促・プロモーションを予定している。新TVCMなどをフックに改めて複数の『ブレンディ』スティックの取り扱いに向けた活動などを営業チームと連携しながら取り組んでいるところ」という。
「ブレンディ」スティック成長の軌跡容量別では今後、小箱タイプに注力していく。
竹内社長は「世の中のトレンドがどうしてもプライスの方へと引っ張られ、大容量にずっと特売や販促がシフトしていたが、ふと気づくと、コロナ禍で個人のニーズやパーソナライズが重要になってきている。嗜好品でトライアルする楽しみというのは、やはり小箱のバラエティにあるということで、今回、改めてこの小箱を中心に訴求していく」と意欲をのぞかせる。
「ブレンディ」スティックは(1)いつでも開けたてのおいしさ(2)いつでもベストバランスの約束されたおいしさ(3)省スペース・省手間・省タイムーーの3つを基本価値とし2010年にNo.1シェアを獲得。以降、23年3月までの13年間、No.1シェアを維持している。累計販売杯数は前期(3月期)144億杯に上る。
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