ネスレ「キットカット」で東京・小笠原諸島産カカオ豆を使った商品を数量限定発売するねらいは?
食品新聞 / 2023年11月23日 5時3分
ネスレ日本は11月20日、外国産カカオ豆に東京・小笠原諸島産カカオ豆を加えて原料に使用した「キットカット ミニ 東京カカオ」を数量限定で発売開始した。
小笠原諸島産カカオ豆は、小笠原諸島母島にある農園で4人の生産者によって栽培されたもの。チョコレートに加工されると一般的なカカオ豆と比べて酸味のあるフルーティーなテイストを力強く感じられるのが特徴だという。
栽培の旗振り役は平塚製菓(埼玉県草加市)。
平塚製菓は2006年に東京カカオプロジェクトを立ち上げ、協力農家を探し出すところから開始して、10年に生カカオの輸入許可を取得し11年に折田農園と栽培契約を締結。13年に国産カカオの初収穫に成功し、19年には小笠原諸島産カカオ豆のみを使用したチョコレートの発売へと漕ぎ着けた。
この取り組みに着目したネスレ日本が平塚製菓に依頼して22年10月に「キットカット 東京カカオ」が誕生した。
今回の「キットカット ミニ 東京カカオ」は「キットカット 東京カカオ」での取り組みに販路を拡大するなどして磨きをかけたものとなる。
生活者へのチョコレート製造過程の興味喚起と「キットカット」ブランドの価値向上がネスレ日本の狙い。
ネスレ日本のオリヴィエ・ジャクー常務執行役員コンフェクショナリー事業本部長(右)と平塚製菓の平塚正幸社長ブランド価値向上について、20日発表会に臨んだネスレ日本のオリヴィエ・ジャクー常務執行役員コンフェクショナリー事業本部長は「『キットカット』の3つの活動の柱であるブレイク(休憩)・コミュニティ・環境にそれぞれ貢献する」と語る。
この中で環境については「外国産カカオを日本に輸送することで環境負荷がかかっている」と述べ、小笠原産カカオをカカオマス中29%使用することで輸送距離・CO2排出削減効果を見込む。
平塚製菓もコミュニティへの貢献を志向する。
平塚製菓の平塚正幸社長は「母島には観光資源があまりなく、カカオ農園が観光の一助になれればいい」と語る。
カカオポッドの中にある発酵前のカカオ豆母島のカカオ農園は現在、7棟のビニールハウスで構成され、約500本のカカオの樹が栽培されている。総敷地面積は約4500㎡。年間収量は700~800キロ。
年に2回収穫でき、5月が最初に訪れずメインの収穫期、11月が2回目に訪れるサブの収穫期となる。収穫されたカカオポッドは船便で平塚製菓の草加工場に届けられる。
工場では、カカオポッドを割り、そこから取り出したカカオ豆を発酵させて、その後、乾燥する。
発酵については試行錯誤の段階で、現在、外部の知見を取り入れながら研究を進めている。
平塚製菓としては今後、SDGsの取り組みとして、カカオ豆を取り出した後のカカオポッドの活用を検討していく。現在、糖分を含むカカオパルプについては発酵作業に活用。重量の約9割を占める外皮の活用を考えていく。
「キットカット ミニ 東京カカオ」。カカオポッドを象った小窓からカラフルな個包装が顔をのぞかせる。「キットカット ミニ 東京カカオ」は、土産店や「キットカット ショコラトリー」常設店、ネスレ通販などで販売されている。1箱6枚入りで希望小売価格は税込3456円。
個包装デザインは、黄や赤などとりどりの色のカカオポッドをイメージして7種類を用意し、1箱にランダムに入っている。
外装はクラフト感を打ち出すとともに母島をデザイン。カカオポッドを象った小窓からカラフルな個包装が顔をのぞかせる仕立てになっている。
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