富山に根ざす老舗菓子メーカー・日の出屋製菓 1970年・大阪万博で急成長 2000年「しろえびせんべい」大ヒット〈連載3〉
食品新聞 / 2023年12月3日 16時0分
1924年(大正13年)2月26日、富山県福光町新町(現・南砺市福光新町)で川合宣之氏が創業した日の出屋製菓産業は来年、創業100周年を迎える。
東京に進出したのは1958年。西荻窪に東京1号店を出店した。営業所も開設し「かきやま」ブランドをあしらった黄色の営業車を走らせていた。
64年には富山市に工場を新設。もち米を原料としたあられ・かきもちの製造から、新たにうるち米を原料としたせんべいの製造に参入した。
転機を迎えたのは、日本万国博覧会(大阪万博)が開催された70年。3年前の67年に新町の町工場から郊外に工場を移転し大幅に製造規模を拡大したことが功を奏し、高まる需要に対応して売上を急激に伸ばしていった。
このとき、二代目・川合昭至氏が社長に就任。70年11月に、現在の日の出屋製菓産業へ社名変更した。
78年から流通販路用ブランド「ならび駒」をスタートするが、バブル崩壊などの影響を受け路線を変更。
92年のささら屋ブランドに次いで、93年には富山柿山ブランドを立ち上げ柿山プロジェクトを始動。
「当時、ギフトの販売は和菓子屋さんが中心だったことから、全国の和菓子屋さんを開拓し直取引きしていった。この活動によって大手スーパー様や量販店様の売場にも入れていただくことができた」と川合会長は振り返る。
なお「かきやま」の言葉は、もともとは米菓を意味する金沢・富山県西部の方言。
看板商品「しろえび紀行」川合会長が社長に就任した99年に、看板商品「しろえび紀行」の前身商品「しろえびせんべい」が発売開始され、2000年に富山で開催された国民体育大会(国体)で大ヒット。
販売好調を受け、08年9月、せんべい商品の製造拠点であった富山市の金泉寺工場を閉鎖して立山町へ移転。新たに立山工場(現しろえびせんべいファクトリー)・ささら屋立山本店としてスタートした。
15年、北陸新幹線が3月に開業したことで再び大ヒット。パッケージが北陸新幹線の車両の形をしたせんべい「かがやき しろえび小判」がバカ売れした。(つづく)
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