世界初 売場カメラとAIで自動値下げ 品物の充足状況に複数のデータ組み合わせて判断 流通革命に挑むトライアル④
食品新聞 / 2023年12月31日 19時22分
トライアルホールディングス傘下でIT技術を提供する事業会社のRetail AI社は、世界初の試みとして、売場カメラとAIによる自動値下げのシステムを開発。2022年4月20日にオープンした「トライアルGO脇田店inみやわかの郷」(以下、脇田店)に同システムを導入して精度を高めるべく実証実験を行っている。
廃棄ロス削減ほか店舗の荒利最大化や店舗業務の省人化が目的。
脇田店では、惣菜と寿司の2つの売場で実験。両売場の真上にそれぞれカメラを設置して、時間の経過とともに変わる品物の充足状況をカメラとAIが把握し、過去の販売データや在庫データを組み合わせて自動的に値下げを判断する。
カメラとAIは、電子棚札と連動しており、値下げが判断されると自動的に電子棚札に表示されている価格が値下げへと変更される。会計とも連動し、レジで商品をスキャンすると値下げされた価格が表示される。
5月17日、同店で取材に応じたRetail AIの永井義秀氏は「当日の売れ行き状況によって値下げのタイミングを早くしたほうがいいか、それとも遅くして大丈夫なのか。時間帯ごとにどう変化していくのかを逐次捉えてAIが自動で値下げを判断する」と説明する。
値下げが判断されると自動的に電子棚札に表示されている価格(写真左)が値下げ(写真右)へと変更される時間帯を限定して把握・分析している点もポイント。カメラを24時間回しっぱなしにすると巨大なサーバーが必要となりコストが嵩むためだ。
実証実験開始から1年が経ち、オペレーションは「一定レベルで削減・改善できるところまできている」という。
廃棄ロス削減効果についても「定量的な数字は公開できないが、従業員が判断している既存店舗と比べて売上げや廃棄削減の数字が改善されてきているところは実験の結果で見えてきている」と語る。
そのほか、調理時間や賞味期限が異なる商品が1つの売場で混在するケースへの対応を課題に挙げる。
「課題はいろいろあるが、脇田店や他の店舗で実験しながらバージョンアップを図っている。トライアルGOで確立されたフォーマットをメガスーパーやスーパーセンターなど他の店舗フォーマットに順次展開していくことも考えている」と意欲をのぞかせる。
脇田店は、福岡県宮若市との官民連携協定における共同事業として最先端のIT技術を導入した次世代スマートストアの位置づけとなる。
日本初となる酒販売の年齢確認不要とする24時間顔認証決済も導入されている。
*流通報道記者会で5月取材
この記事に関連するニュース
-
食品の値引き表示デジタル化 山形のスーパーで実証実験
OVO [オーヴォ] / 2024年7月22日 0時0分
-
BIPROGY、ヤマザワ 食品の値引きシールをデジタル化し、見切り業務廃止とフードロス削減を目指した実証開始
共同通信PRワイヤー / 2024年7月16日 10時30分
-
ソニー半導体「27歳営業リーダー」の仕事術 なぜストーリー作りを重視するのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月6日 11時34分
-
生成AIを活用した店舗内サイネージ向け広告配信に関する実証実験を実施
PR TIMES / 2024年6月28日 16時45分
-
生成AIを活用した店舗内サイネージ向け広告配信に関する実証実験を実施
PR TIMES / 2024年6月28日 16時15分
ランキング
-
1「子どもが野菜を食べてくれない」悩みへの回答 科学的に正しい「野菜嫌いをなくす5つの方法」
東洋経済オンライン / 2024年7月27日 15時0分
-
2G20、「デジタル課税」早期実現への決意示す…3会合ぶりに共同声明採択し閉幕
読売新聞 / 2024年7月27日 15時0分
-
3スズキ、コンパクトSUV「フロンクス」の最新情報を公開
財経新聞 / 2024年7月27日 16時36分
-
4〈最低賃金1054円に〉過去最大増なのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「政治家の報酬だけは世界トップクラスだけど、賃金はオーストラリアの半分」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
5「半端な対策では命にかかわる」 山善の”プレミアム水冷服”がたちまち完売、現場のニーズとどう合致した?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月27日 6時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください