能登半島地震全力復旧へ食品界あげての支援を
食品新聞 / 2024年1月8日 16時1分
1月1日午後4時10分頃に発生した石川県能登地方の震度7の地震は、食品界にも大きな被害をもたらした。特に同地方のメーカーや卸、小売業などの工場や店舗に多大な損壊が出ており、地域では断水や道路寸断などで物流は滞り、被害の全容は見通せない。食品はライフライン。現在、各社全力で復旧に取り組んでいる。食品界挙げての支援が必要だ。
震源地の能登地方含め北陸地域を広範囲にカバーする食品卸のカナカン(石川県金沢市)は、まずは安否確認を行い「全従業員の無事を確認」した。建物は、震源地から近い石川県七尾市の七尾常温センターが大きな被害を受け、他地域からの応援含めて現在全力で復旧作業に当たっている。富山、新潟の拠点は甚大な被害はない。ただ、能登地区には、個人店や外食店など得意先は多い。「得意先の応援に行きたいが、自社センターの復旧で手一杯」の状況だ。
北陸中央食品(富山県射水市)は本社倉庫3階の荷物落下などの被害を受けたが、1日夜から2日にかけて復旧作業に当たり、4日から定番出荷もしている。
メーカーでは、七尾市に本社・工場を構えるスギヨは2日時点で従業員の安否含め、本社、工場(北陸工場、団地工場、能登半島など)の状況確認を進めており、復旧の目途は立っていない。また道路などが寸断され、在庫の出荷も遅延が起こる状況。「被災していない自社工場、グループ工場、協力工場の総力を挙げ、対応していく」としている。
スーパーでは、能登地区に10店舗、金沢地区に3店舗を展開するどんたく(七尾市)は3日の通常営業に際し、2日時点では全店休業としていたが、早急な復旧に努め3日に能登地区の4店舗を、5日にはさらに2店舗を臨時ながらも営業し、水などの商品供給に努めた。断水しているため生鮮は一部を除き販売を見合わせ、基本的に加工食品のみを販売。断水に伴いトイレが使用できなかったり、購入の点数も制限せざるを得ない状況だ。
アルビス(富山県射水市)は富山38店舗、石川で20店舗展開しており、2日からの通常営業に対し、被害のあった3店舗を臨時休業にしたが、早急な復旧に尽力し、歌の森店(富山県射水市)は4日から、タピス店(富山県高岡市)は5日から通常営業とした。5日時点でルミネス店(富山市)を除く全店舗を営業(一部修繕のため7日まで営業時間変更)している。
大阪屋ショップ(富山市)は富山県に43店舗、石川県に8店舗展開しており、大なり小なり被害はあったものの通常営業の2日から販売できる商品で全店営業している。
各社の従業員の中には津波の影響で待避所に行き、夜中に帰宅した方もいる。能登地区では、輪島朝市で知られる観光名所・朝市通りの大規模火災もあり、食品界の被害全容は見通せないが、ライフラインである食品の供給に各社全力で取り組んでいる。
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