納豆が動脈硬化抑制 不明のメカニズムを解明 筑波大学×タカノフーズ
食品新聞 / 2024年1月10日 16時23分
筑波大学と納豆のトップメーカーであるタカノフーズはこのほど、納豆摂取による動脈硬化抑制メカニズムについて発表した。納豆に含まれる成分が動脈硬化を抑制することは知られているが、そのメカニズムは不明だった。今回の研究では、納豆がマウスの動脈硬化に与える影響を解析し、その結果、納豆摂取により腸内細菌叢の変化や炎症抑制作用が生じ、これが動脈硬化予防に寄与することが分かった。
動脈硬化は、血管の壁に脂質や炎症細胞が蓄積し、心臓病や脳卒中など心血管疾患の原因となる慢性疾患。動脈の柔軟性を高め、炎症反応の調節により心血管疾患を抑制する作用のある食品として、ビタミンK2を豊富に含む納豆が知られている。しかし、納豆が動脈硬化を抑制するメカニズムは不明だった。
同研究では、異なるビタミンK2レベルを持つ納豆(高ビタミンK2納豆、通常の納豆、低ビタミンK2納豆の3種類の納豆)を用い、これらが動脈硬化モデルマウスの動脈硬化に与える影響を経時的に評価した。その結果、すべての種類の納豆摂取により、動脈硬化が有意に減少することが観察された。
また、納豆の摂取は腸内細菌叢の構成を変化させ、動脈硬化を促進するサイトカインやケモカインの発現を調整し、動脈硬化に対する治療的な効果を有することが示唆された。
さらに、動脈硬化の進行に重要なマクロファージに納豆菌を添加したところ、特に高ビタミンK2納豆により、炎症性サイトカインや炎症細胞を引き寄せるケモカインの発現が顕著に減少することが明らかになった。
また、通常の納豆と低ビタミンK2納豆では抗炎症性サイトカインIL-10の発現が増加した。以上のことから、納豆菌は腸内細菌として存在するだけでなく、腸内細菌叢の変化やビタミンK2などの代謝物を通して動脈硬化抑制に寄与している可能性が示された。
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