開けたらレモンスライスが! 市場に一石、アサヒビールから新感覚RTD「未来のレモンサワー」
食品新聞 / 2024年1月12日 14時10分
これまでありそうでなかった?それとも、未来から来たレモンサワーか――?
アサヒビールが今年発売を計画するのは、その名も「未来のレモンサワー」。同社の大ヒット商品「スーパードライ生ジョッキ缶」でおなじみの、上面が全開するフルオープン缶を採用した。開栓すると、中に入っているレモンスライスが浮き上がる仕掛け。レモンの味わいや香りを五感で体験できる新感覚の缶チューハイだ。
昨年にテスト販売で手ごたえをつかみ、首都圏・関信越エリアで数量限定発売を決めた。店頭に並ぶのは6月11日と少し先になる。松山一雄社長によれば「作るのが本当に難しい。(缶チューハイに)固形物を入れるのは初めてなので、万一にも異物が混入しないよう万全を期している」。テスト段階では1缶ずつ手作業でレモンを入れていたが、ロボットの導入で自動化したという。
缶のデザインは2種。表裏でレモンスライスが浮き上がる様子を表現した(未来のレモンサワー)フレーバーは2種。スタンダードな「オリジナルレモンサワー」のほか、無糖・無香料のサワーを使った「プレーンレモンサワー」も。昨今の無糖チューハイ人気を意識した。レモンスライスは糖でコーティング。そのまま食べられる。レモンの個体差や飲むタイミングにより1缶ごとに異なる味わいを感じることができるのも特徴だ。度数5%、345㎖。希望小売価格271円(税別)と、同社RTDとしてはこれまでにない高価格帯だ。
このほか昨年には個性的な缶チューハイの新ブランド4品もエリア別にテスト展開。なかでもリピート率などで高い実績を示したジンベースの無糖柑橘サワー「アサヒGINON(ジノン)」を、4月2日から全国発売することも決めた。
缶チューハイなどRTDの分野では、他社の後塵を拝してきたアサヒビール。酒税率引き上げが進む新ジャンルからの需要流入も追い風に、25年までに22年比1.5倍以上となる600億円の売上高を目指す。
「世界一ワクワクする『ビール会社』」をビジョンに掲げる松山社長。巻き返しを図るRTDでも、売場にワクワクを届ける。
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