たくあん 原料とコストが課題 需要維持へ商品力の向上を
食品新聞 / 2024年1月26日 11時43分
沢庵(たくあん)業界の重要課題は原料の安定確保とコストアップ対策だ。今後も安定的に原料を仕入れるため、持続可能な収穫方法や原料農家とメーカーの双方が納得できる換金方法を、メーカー側が農家へ示す必要がある。同業界も近年のコスト高に伴い、製品価格の適正化を進めている。今後も引き続き需要を維持すべく価格適正化と併せて商品力の向上を図りたい。
沢庵・大根漬の23年出荷額はほぼ横ばいの370億円となった(本紙推定)。近年の販売は安定しているが、昨年は東日本で原料大根が不足し、需給がひっ迫した。コロナ禍で苦しんだ業務用は、観光土産向けも含めておおむねコロナ前の水準まで回復した。
昨今は都市部を中心にスライスカップが伸長。利便性で支持され、一部の有力メーカーでは供給が追い付かなくなるほどだ。
一方で、ローカルではコスパのよい一本物がまだまだ根強く、沢庵もコスパと利便性の両方のニーズがある。
同市場の課題は引き続き原料確保とコストアップ対策だ。近年、原料農家は高齢化と後継者不足により急速に減少している。ある有力メーカーが原料農家を対象に今後の見通しについてアンケートを実施。その結果から、「原料農家は10年後には半減」と予想する。このまま行けば将来的に大根の収穫量は大きく減少するだろう。
原料の減少に歯止めをかけるにはメーカー側が持続可能な収穫方法や、メーカーと農家の双方が納得できる換金方法を示さねばならない。そして、その手法が業界全体に広がる必要がある。またメーカーは内部的に、今後の原料価格上昇に耐え得る仕組みを作らなければならない。
さらに、コスト高対策も重要だ。近年の価格適正化により沢庵の店頭売価も上がってきた。流通大手では塩押しの一本物が300円、干しの一本物が400円を超えてきた。「値頃感を外れて、需要が減退しないか」と懸念する声も一部にあるが、製造原価や販管費を抑えるといったメーカー側の努力も限界に来ている。
今春も価格改定を実施する有力メーカーがある。市場には値上げ後も販売好調の商品があり、それらは商品価値、商品力がユーザーに認められている。今後も沢庵が支持されるように、価値向上・商品力向上に取り組みたい。
この記事に関連するニュース
-
良品計画、『無印良品』菓子など41品目値上げへ「原料価格の高騰、物流費の高騰、および円安が進行」
ORICON NEWS / 2024年7月22日 15時28分
-
広島発 味で差別化した高級ブランドミニトマト 全国販売に向け、今秋に栽培規模を4倍に拡大
@Press / 2024年7月22日 11時30分
-
焼肉業界“閉店ラッシュ”の中で「焼肉きんぐ」「牛角」2大食べ放題チェーンが堅調である理由
日刊SPA! / 2024年7月21日 8時54分
-
5月後半~6月の経済活動はわずかに増加、米シカゴ連銀ベージュブック(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月19日 13時20分
-
果物から海の幸まで…「食卓のSDGs」で注目される企業3社はココだ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月15日 9時26分
ランキング
-
1メルカリ「フルリモート廃止?」に私が感じたこと 一体感を得るには「ある種の非効率さ」も重要だ
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 11時0分
-
2エリート官僚にトラックドライバーの気持ちはわからない…「長時間労働の禁止令」に運転手たちが猛反発のワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月26日 8時15分
-
3〈最低賃金1054円に〉過去最大増なのにパート、アルバイトから大ブーイングのワケ「扶養控除ライン据え置きはオフサイドトラップ」「政治家の報酬だけは世界トップクラスだけど、賃金はオーストラリアの半分」
集英社オンライン / 2024年7月26日 18時56分
-
4スキマバイト「タイミー」が上場、27歳社長の素顔 時価総額1000億円超「ユニコーン」に導いた手腕
東洋経済オンライン / 2024年7月26日 9時0分
-
5RIZIN「手越祐也の国歌独唱を批判」は失礼なのか 手越が辞退し、選手に批判が集まっているが…
東洋経済オンライン / 2024年7月24日 19時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)