「最高を超える山田錦プロジェクト」 グランプリの農業法人に賞金3千万円 清酒「獺祭」の旭酒造
食品新聞 / 2024年1月29日 12時21分
清酒「獺祭」醸造元の旭酒造が主催する「最高を超える山田錦プロジェクト2023」の表彰式が都内で開かれ、過去最多の出品数144件からグランプリに農業法人のウィング甘木(福岡県朝倉市)が選ばれた。3年ぶり2回目の受賞。同社の北嶋将治氏は「前回の優勝時とは違う内容で要求される品質を徹底的に追求した。将来は一粒がおにぎりサイズの山田錦を目指している」と喜びを語った。賞金は3千万円で、旭酒造が優勝米の「山田錦」60俵(1俵50万円)を買い取る。
プロジェクトは19年から数えて5回目。冒頭、桜井一宏社長はあいさつの中で「コンテストの起点は現代の農業が抱える課題にある。良いお酒を作るには良いお米が不可欠だが、農家は高齢化が進み、新規参入も少ない。理由には努力が報われにくいシステムがある。われわれは農家が作った素晴らしい酒米にはしっかり対価をお支払いしたいと考えている」と説明。また、会場には農業に関心がある学生(17人)が参加していることを紹介し、「米にかかわらず農業に未来を感じる若い人が増えていくことを望んでいる」とした。
審査は酒米等級検査員ら専門家で実施。12月1日の予審会で144点を6点に絞り込み、同21日に決審が行われた。グランプリに選ばれた「山田錦」は、清酒「獺祭」が求める独自の基準に合致していることから高評価を獲得。粒が大きく揃い、心白が中心部分に小さく入って高精白に耐え得ることがポイント。準グランプリには岡山県岡山市の国定農産を選出、賞金1千万円が贈られた。
なお表彰式に先立ち、桜井博志会長、特別審査員を務めた漫画家の弘兼憲史氏、参議院議員の中田宏氏、農家で山田錦栽培研究所の海老原秀正氏(海老原ファーム創業者)の4人でパネルディスカッションを実施。「日本の農業の課題」をテーマに行われ、「いまは日本の農業が変わる最後のチャンス。農家は高齢化が進んでいるが、だからこそ若い人が入り込む余地が生まれる」「品質向上を図るには一定以上の生産規模が必要。AIやGPSでスマート農業に進化させることも重要」などの意見が出た。
なお過去2回、グランプリを受賞した酒米で仕込んだ「獺祭」を世界で最も歴史ある「サザビーズ」オークションに出品しており、21年11月に「獺祭 最高を超える山田錦2019年優勝米」がサザビーズ香港で約84万円、22年9月に「同 最高を超える山田錦2021年優勝米」がサザビーズNYで約115万円にてそれぞれ落札されている。
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