味の素AGFが目指すべき健康経営は「従業員の元気・やる気アップ」 異例の早さ 挑戦2年目で健康経営優良法人に認定
食品新聞 / 2024年2月19日 17時50分
味の素AGFは2020年から「健康経営優良法人」認定制度に挑み続けるなど健康経営を強力に推進している。
挑戦2年目の21年に、健康経営優良法人に認定。翌年の22年には異例の速さで「ホワイト500」という上位グレードが冠せられた。
その旗振り役は、人事部人事グループに所属する中村保幸さん。入社後、研究畑を歩み、AGF鈴鹿管理部専任部長時代に社員の健康に対する経営サイドの意識の高さに触れ、全社で健康経営を推し進めるべく行動を起こしている。
健康経営の目指すべき姿は、従業員の元気・やる気アップにある。
人事部人事グループ参事の中村保幸さん中村さんは「味の素が“Eat Well,Live Well.(おいしく食べて健康づくり)”を掲げているのと同じく、従業員が元気に働き、やる気になって働くことが、業績アップにつながり、従業員も幸せになれるのが原点」と語る。
従業員の健康に向けた、AGFの健康経営の特徴の1つに、きめ細かい健康推進が挙げられる。
これには、21年秋からAGFグループ社員の健康推進が「味の素健康推進センター」に一本化されたことよるところが大きいという。
「事業規模が格段に大きい味の素の体制に入れたことは我々にとって追い風で、ますます手厚い健康経営施策が実施できる体制が整った」と述べる。
一本化により各拠点に保健師が配されるようになり、保健師との面談や健康相談が随時行えるようになっている。「保健師さんのケアのレベルが高く、そこに従前との差が感じられる」と評する。
2022年、「健康経営優良法人ホワイト500」に認定本社では、保健師はメタボ対策の糖質セミナーの講師役を務め、従業員から大好評だったことから今後拡充の構え。
22年からは毎月、食育マルシェによるオンラインでの野菜に関するセミナーを開催し野菜摂取量を増やす取り組みを継続している。
通常健康診断に加えて、婦人科検診、単独検診、脳検査の追加実施による病気の早期発見促進や、癌の早期発見機会を提供している。
成人病予備軍の従業員には、楽しく続けられる特定保健指導を心がけており、対象の従業員は会社の費用負担で3ヵ月間、RIZAP(ライザップ)やchocoZAP(チョコザップ)が利用可能となる。
健康行動を促す施策としては、初めての試みとして、気軽に参加できるウォーキングイベント企画に参画。ウォーキングアプリを活用し、歩行距離に応じてギフト券をプレゼントするなどのインセンティブを用意。
健康行動を促す施策としては、初めての試みとして、気軽に参加できるウォーキングイベント企画に参画。ウォーキングアプリを活用し、歩行距離に応じてギフト券をプレゼントするなどのインセンティブを用意。
ココロの健康の取り組みとしては、本社でフリーアドレス化によるコミュニケーション促進。加えて、多様な会議スペース、立ち会議エリア、鳥のさえずり環境サウンド、リラクゼーション・コミュニケーションルームなどを設け、心身に優しいオフィス環境を整備している。
コロナ禍でのコミュニケーション不足や不安解消を目的に、全国規模でのオンライン交流会やオンラインでのランチ会も開催している。
フレックス勤務や在宅勤務は全社員が利用可能。コアタイムは13~15時で、上司の承認があればコアタイムを変更できる。
「コアタイムをあまり厳密に求めず2時間以上働けば一労働日が成立する。1日あたり7時間を超える勤務は残業として最終的に清算する」と説明する。
休職者の復職プログラムは産業医の意見を重視。これにより確実性が増し、メンタルヘルス不調者が減少傾向にある。
AGFでは、全従業員の充足度・納得度を定期的に把握するため、外部企業に委託してエンゲージメントサーベイによる組織診断を毎年実施している。
「トータルエンゲージメントは毎年、1、2ポイントずつ上昇し現在77ポイントとなっている。この中で、健康については、健康ウェルビーイングカテゴリーという分野があり、この分野も上昇傾向にある」という。
さらなる健康経営の推進に向け、全社一丸となった活動強化を図っていく。
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