「オロナミンC」が上昇基調 さらなる拡大に向けた次の一手とは?
食品新聞 / 2024年2月27日 5時45分
大塚製薬の炭酸栄養ドリンク「オロナミンCドリンク」(以下、オロナミンC)が23年11月から上昇基調にあり、今年、さらなる拡大に向け次の一手を準備している。
その一手とは、若手社会人へのアプローチ。重点施策「OneAction(ワンアクション)」の取り組みとなる。
「OneAction」は2022年から始めた施策で、身近な人に「オロナミンC」を渡すことで感謝や労いの気持ちを伝えるというもの。
「オロナミンC」だからできる人と人をつなぐコミュニケーションとして注力しており、今回、従来の家族・親子などに加え、社会人への取り組みもさらに広げていく。
取材に応じた熊取谷(くまとりや)直毅ニュートラシューティカルズ事業部製品部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャーは「『OneAction』は『オロナミンC』を通して繋がりの中で『元気』や『感謝』といった気持ちを伝えることができる重要な取り組みだと捉えている。これまでの家族や親子へのアプローチを継続しつつ、近年注力している20-30代に向けたコミュニケーションも強化していく」と語る。
熊取谷(くまとりや)直毅ニュートラシューティカルズ事業部製品部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャーオロナミンCは子どもから大人までココロとカラダを元気にするおいしい炭酸栄養ドリンクとしての独自のポジションを確立してきた。
「子どものときに『オロナミンC』を飲ませてもらい、その子どもが親になったときに子どもに『オロナミンC』を渡して飲んでくれている。さまざまな世代・シーンで、ブランド接点を増やすとともに、今まで以上に若者の間での『オロナミンC』のブランドイメージを確立していきたい」との意気込みを示す。
「オロナミンC」には、1日に必要なビタミンC、B2、B6をはじめ、アミノ酸やハチミツが入っている。
ビタミンCの量はレモン11個分に相当し、着色料・保存料は不使用で「子どもから大人までみんなが美味しく安心して飲んでいただける」点を独自価値としている。
エナジードリンクなど競合ひしめく中で、「元気ハツラツ!」とこの独自価値を伝えていく。
「『オロナミンC』という製品を理解していただき、飲んでいただく機会を作っていきたい。そして元気や感謝といったキーワードのもと、ブランド体験を積み重ねていくことで、『オロナミンC』の独自の価値を体感してもらい、次世代へとつなげていきたい」と意欲をのぞかせる。
一方、これまで取り組んできた職場・地域・家族・親子へのアプローチも継続する。
昨年は、勤労感謝の日に、スーパー・ドラッグストアの従業員に対して店長や責任者から「オロナミンC」を手渡して感謝を伝える施策で手応えを得る。
「『オロナミンC』を手渡すことで、“いつもありがとう”“お疲れ様”といった普段なかなか言えていない感謝の気持ちを伝えることができたと、物凄く好評だった。コミュニケーションツールとして活用していただき、ブランドとしては飲用機会の拡大につながった」と振り返る。
各地域の取り組みの代表的なものとしては、昨年実施したJR九州とコラボした父の日と勤労感謝の日の施策を挙げる。
「父の日に合わせたイベントでは、駅構内の一画にブースを作り、来てくださったお子さまに、メッセージカードを添えて親御さんにプレゼントしてもらえるようにした。勤労感謝の日には、周りで日々頑張っている方に元気と感謝の気持ちを届けてほしいと、博多駅で駅員の方から駅利用者に計1000本を配布した。メディアにも取り上げていただくなどとても反響が大きかった」と振り返る。
親子に向けては昨年、コロナ禍で控えていた仮面ライダーショーを4年ぶりに再開した。
小学校での運動会サプライズ施策も継続。「小学校の先生方に募集をかけ、生徒さんには内緒で運動会が終わったあとに手渡していただいた。事後のアンケートで高い満足度が毎年得られている」と述べる。
これらリアルでの活動に加えて、SNSを活用したキャンペーンも継続する。
昨年は「家族みんなに元気ハツラツ!キャンペーン2023」と題し、こどもの日、母の日、父の日、親孝行の日、敬老の日、家族の日に合わせて実施した。
なお23年の販売動向は、22年11月に実施した価格改定の影響で、スーパーやドラッグストアでの10本入りが足踏みしたが、単品は好調を維持。
人流回復に伴いコンビニや自販機での売上拡大を追い風に勢いづいている。
30本入りと50本入りのケース販売は、ECを中心に前年を割ることなく堅調となった。特に30本入りはギフト仕様の外装(段ボール)で母の日や父の日のギフト需要を獲得し拡大傾向にある。
単品販売が牽引している中で、11月頃から10本入りもプラスに転じ、ブランドトータルとしては現在上向いている。
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