一番茶の需要喚起へ 伊藤園から新シリーズ「氷水出しティーバッグ」発売
食品新聞 / 2024年3月25日 10時45分
伊藤園は3月18日、高級茶葉を使った新シリーズ「氷水出しティーバッグ 贅沢なお~いお茶」を立ち上げ、2商品を発売した。急須を持たない消費者に水出し茶のおいしさを訴求する。2品のうち「あまみ一番摘み緑茶」(6g×10袋)では一番茶を100%使用し、生産者への還元も図る。
お茶は、毎年4~10月にかけて、一番茶~四番茶・秋冬番茶と複数回にわたり生産される。急須保有率の低下に伴い茶葉需要も減少傾向にあり、後継者不足などから茶農家の廃業も相次いでいる。一番茶は味がよく高い価格で取引されるため、流通拡大は農家支援につながる。
伊藤園は「急須の茶葉が売れにくい夏場に水出し茶のおいしさが支持されている」として、一番茶を使ったティーバッグ(TB)製品の発売に至った。
「あまみ一番摘み緑茶」では、「旨味、香り、鮮やかな水色(すいしょく)」を重視して通常よりもグレードの高い原料を使用した。
さらに同社のポット用TBは通常1袋3g程度のところ、贅沢な味わいを実現するため倍の6gに設定。多量の茶葉が広がって抽出されやすいように、通常品と比較して容積が約3倍、過去最大サイズの三角ラージバッグを採用している。箱タイプ用の個包装ラインでは充填できないほど大きく、TB製品では初めて外装を角底タイプのスタンドパックとした。
1袋で水出しは500㎖~1ℓ、お湯出しは200㎖を2~3煎楽しめる。希望小売価格は税別1千円と同社TB製品の中では高い水準だが、「500㎖当たり100円は飲料と比べても決して高くない」(同社)。
もう1品の「かおるほうじ茶 加賀棒茶」(4g×10袋)は、野田屋茶店(石川県金沢市)製の加賀棒茶を100%使用。ほうじ茶の特徴的な香りが伝わる商品に仕上げた。今後のシリーズ展開は、新商品2品の反応を見て検討する。
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