サラダクラブ 優秀契約産地を表彰 次の25年へ野菜価値向上
食品新聞 / 2024年5月13日 12時56分
パッケージサラダを全国約1万8千店舗で販売するサラダクラブ(キユーピーと三菱商事との共同出資会社)は、高品質原料を安定的に調達するため、契約産地を表彰する「Grower of Salad Club(グロワー・オブ・サラダクラブ)」を毎年開催しており、今年も全国約400ある契約産地の中から「最優秀賞」として8産地、「優秀賞」として16産地、「特別賞」として2産地を表彰した。
サラダクラブはトレーサビリティが確保された原料を、契約取引により一定価格で安定的に調達でき、生産者でも計画が立てやすいことから、経営の安定化が図れるメリットがあり、両者の信頼関係につながっている。
今回で8回目となる表彰式には、生産者やサプライヤー、関係者など約100人を招いて受賞団体を表彰するとともに、今年で25周年を迎えたサラダクラブを祝った。
表彰式に先立ち金子俊浩社長は、「パッケージサラダは約2千500億円市場で、来年で100周年のマヨネーズおよび今年で70周年のドレッシングを合わせても1千300億円市場であり、いかに短期間で大きく成長したかが分かる。キユーピーの創業者、中島董一郎氏の教えである『よい商品はよい原料から』の考えは今でも根付いており、生産者からの高品質原料が今日の市場を形成している」とし、生産者への感謝の意を示した。昨年夏の酷暑による品質低下や秋の虫害、肥料高騰、人手不足などの諸問題が山積する中で、「安心・安全性や品質向上の方針は変えないが、次の25年に向けて皆さまとの会話を通じて様々な課題を解決していきたい」と述べた。
小林慶一郎専務また小林慶一郎専務・原資材本部本部長は、円安によるコストアップや、労働力確保、物流問題、農業就業者の減少など、農業が抱える厳しい業界環境について触れ、「パッケージサラダは引き続き高齢者や若い人の需要が伸びることが予想されるため、今後は需給バランスが反転し、調達に苦労する場面も考えられる。そこで規格外原料の受け入れや新野菜への支援、産地拡大の支援、野菜価値の引き上げなどを通して、おいしさを啓発していく」など語った。
さらに懇親会の中で小林専務は、「今までは生産性を考えながら、農家には歩留まりの良い野菜の収穫をお願いしたが、このご時世ではフードロスなど新たな問題も考えなければならない。円安で輸入野菜が高騰している中で、国産野菜の価値を引き上げるため、色味のついた紅芯大根やパプリカなど、産地と組んで取り組むことも必要だ。野菜の価値を上げるために商品力をつけ、農家の声をバイヤーなどにアピールすることで需要を高めていく。5年、10年後を見据えた取り組みだが、今から着手することが大事」などの考えを示した。
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