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食品残渣などの汚泥処理に威力 エア式に比べ電気代最大80%削減 グラコ

食品新聞 / 2024年5月24日 8時26分

グラコ(TEL045-593-7300)の創始は1926年、米国ミネソタ州ミネアポリスにおいてグレイ兄弟が「自動車用グリースガン」を発明し、グレイ社(後にグラコに社名変更)を設立。このガンに使用するポンプを、ガソリンなど揮発性原料を扱うため、安全面から電気を使用しない“エア式”に改良し、販売を開始したのが始まりである。

以来、各種ポンプ、自動車市場の塗料循環システム、スプレーガンなど、世界最高レベルの流体ハンドリング機器を製造。米国はもちろん、日本、中国、オーストラリア、韓国、欧州、インド、ロシアなどでグローバルに展開。その日本法人が同社の前身である日本グレイだ。68年に設立し、93年に現社名に変更し今日に至っている。

その代表的な事業は次の3分野である。◆産業機器=プロセス、サニタリー、仕上げ塗装、シーラント塗布、FRPおよびCDRP(炭素繊維)、発泡ウレタン塗布などの機器の設計・販売◆潤滑用機器=ポンプ、計量器、ホースリール、制御装置、集中潤滑製品などをラインナップ◆建築・建設用機器=塗料、建築用塗装材、テクスチャー材料の塗布に使用するスプレーヤーおよび高圧洗浄機の販売。

以上を踏まえ、特に食品業界に対しては、ニーズの高い“食材移送”向けとして、ダイアフラムポンプやピストンポンプを主力とする「SaniForce(サニフォース)」シリーズなどを中心に積極的な製品提案を行っている。その一環として注目されるのが、新たに販売を開始した次の製品である。同社は24年度の主力製品の一つとして、積極的な販売攻勢をかけていく。

【QUANTMi120LP(大粒径用電動フラッパーチェック型ダイアフラムポンプ)】従来の「エア駆動式」から「電動式」に重点を置くという同社の販売戦略の流れに沿う製品である。エア駆動式はコンプレッサーによるエア補給に多大な電気代がかかるが、コンプレッサー不要の電動式に切り替えることで、最大その80%を削減。電気代削減はCO2排出量の抑制につながり、環境保全に大幅に寄与するクリーンでサステナブルな生産活動を支援する。

これを踏まえ、同製品は同社のポンプテクノロジーをベースに、より効率性の高い新設計の電動モーターを採用。工業用として、採鉱場、排水タンク、工場内の排液や大粒径フィラーを含むスラリー用に設計された、効率的な移送ソリューションである。最大流量は454L/分、最大吐出圧力は4・1barと高い。

その優れた機能性は、食品業界でも十分活用できる。サニタリー性の問題で食材自体の移送には利用できないが、生ゴミとも呼ばれる動物性・植物性の食品残渣や廃油・廃液、フィラーなど大粒径の“廃棄・分別処理プロセス”における移送で大いに活躍する。

例えば、食品製造工程で廃棄された肉片や、搾りかすなどが混ざった大粒径のスラリー状の汚泥を、排水規制をクリアするため、乾燥機に移送する場合などに大きな威力を発揮する。また、最近の生ゴミ処理では、バクテリアによる消滅型の生ゴミ処理機を大型化して使用するケースが増えている。ただ、人手不足もあり、人手による投入は非効率的である。同製品を投入口につなげば大粒径の生ゴミやバクテリアを傷つけずに短時間で大量投入できる。

そして、この大粒径の移送を可能にするのが、「フラッパー弁」だ。同社が独自のノウハウで開発したもので、同製品の吸入口と送出口に取り付けられ、コンビネーションよく交互に開閉することで、ラムネ玉式のボール弁では移送が不可能であったスラリー等を目詰まりさせることなくスムーズに移送することができる。

「パルセーションダンパー」脈動を抑え液圧を一定にコントロール

【パルセーションダンパーシリーズ(一般産業用途向け脈動抑制装置)】前記製品は流量が多く吐出圧力が高いため、ライン上に配管した場合の“吐出振動(脈動)”が非常に大きい。そのため、配管や下流工程の機器に「割れ」「ネジのゆるみ」といったダメージを与え、異物混入にもつながりかねないリスクを生じる。

同装置は送出口に装着し、衝撃を吸収する車のダンパーのようにエア調整で脈動を最小限に抑え、一定の液圧にコントロールするもので、システム全体の寿命を延ばし、静かで安全な作業環境を実現する。接液部は複数の材質から選択可能だ。同社は前記製品とのセット使用を勧めている。

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