五大物産が商談会 新業態への提案に力
食品新聞 / 2024年5月27日 9時48分
五大物産は5月22日、大阪市中央卸売市場で「夏季定期商談会」を開催。「変化の時代に対応できる売場作りの提案」をテーマに掲げた今回はメーカー65社が出展、得意先37社・75人が来場した。企画コーナーでは同社の営業が2つのチームに分かれ、それぞれテーマに沿った商品を集めて紹介。沖縄フェア、北陸応援、ご当地ラーメン・カレー、アウトドア調味料、熱中症対策飲料といった企画を展開した。
平林政宏常務は「事前に得意先へ商談会の要望を聞くと、あまり情報のない目新しい商品を案内してほしいという声が多かった」と説明。「こうした商品で成功例ができれば、それをほかの得意先にも提案できる。そのような流れを作りたい」と話す。今商談会では前年比100.9%の売上高10億2千400万円を(6、7月)を計画。
今回は開始時間を1時間遅らせ、10時からスタート。その背景にあるのが、得意先小売業の人材不足だ。従来のように9時開始だと店の開店時間と重なることが多く、展示会に足を運ぶ余裕がない企業が多いという。
山下治男社長山下治男社長は「これこそ時代の変化だと言える」と強調。「当社の社員も変化の時代に対応できる知識を身につけ、様々な業態の得意先からの要望に応える力を持たなければならない」と述べた。今回は全般的に招待企業を絞り込んだ一方、EC関連などの新たな得意先を多く招いた。
同社の前3月期業績は売上高が前年比99.4%の61億6千200万円。営業所別の売上前年比と構成比は本社が前年比98.3%(構成比80%)、中央支店食品が104%(同9%)、同業務部が106.8%(同5%)、奈良支店が103.2%(同6%)。利益は前年を上回り、減収増益となった。
廃業などで22社減った一方、EC関連などを中心に新たな得意先8社が増えた。「得意先の数は減ったが、無理な売上を取りにいかず採算面を重視した。物流に関してはカテゴリーによって荷受けの時間帯を分けるなど、効率化を進めた」(平林常務)ことが増益要因となった。
今期は102.5%の62億5千200万円を計画。山下社長は「8割を占める本社営業の攻めがまだ足りない。多種多様な業態へ向け営業活動を強化する」と力を込める。
今期4月以降、本社の売上は計画比104%で推移。新製品と重点販売商品が好調なほか、見切り品の販売量も多かった。平林常務は「営業部と各担当者が注力すべきAランク企業を決めて、それらを重点的に攻める。加えてEC関連の新規開拓を広げ、目標を達成したい」としている。
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