チーズ 外食回復も購入量に課題 業界結束で一層の消費喚起を 輸入チーズ協・内田会長
食品新聞 / 2024年5月29日 11時24分
日本輸入チーズ普及協会の内田宏己会長(チェスコ社長)は、このほど行われた定期総会後の会見で「原料チーズや輸送費高騰、円安に伴う調達価格高騰が市場価格に反映され需要が減退したと捉えている。こういった時こそ業界が一致結束して市場に対処していくことが重要」と述べ、積極的な消費喚起に業界一丸で取組む考えを示した。
ここ数年の輸入ナチュラルチーズの状況については「需給環境に加え、ウクライナ情勢に伴うエネルギー・飼料価格高騰、ガザ情勢で日本への航路迂回を強いられコストが増加。さらに欧米経済のインフレ、日米の金利格差の影響で原料価格が高止まり、市販・業務用の価格改定の要因となっている。このことが購買意欲を減退させている」との懸念点を指摘した。
同協会によれば、令和4年度(4~3月)輸入ナチュラルチーズの総量は7.1%減と3年連続で減少(農林水産省チーズ需給表)。輸入量は23年1~12月累計で8.1%減と4年連続で減少し、足元の1~3月累計は1.3%減で推移した(財務省貿易統計)。
23年度の外食支出はコロナ禍を脱して回復が顕著となり、牛乳乳製品が前年比4.1%増と伸ばし、なかでもチーズが6.4%増と高い成長率を示した一方で、購入量ベースでみると9.3%減と落ち込んでいる(総務省家計調査)。
懇親会の来賓あいさつで農林水産省畜産局牛乳乳製品課の中坪康史乳製品調整官は「日本のチーズ消費量は令和4年度に33万6千tと、この30年間で消費が2倍に伸びている。国産チーズ含めまだまだ伸びる可能性を秘めている。チーズの食文化を一層深化させていくために、関係各所の連携が重要だ」と述べた。
24年度は、31回目を迎える国内チーズ業界最大のイベント「チーズフェスタ2024」(11月10、11日)で新たなアイデア施策を投じ、さらなる集客を図る。「全国餅工業協同組合」「海苔で健康推進委員会」とのコラボ企画ほか、メーカーによる「チーズ紹介コーナー」も復活予定。
消費者の関心が年々高まる衛生対策活動および適正表示推進活動では、衛生対策および制度等講習会、表示検査会を開催する。
この記事に関連するニュース
-
宝幸 冷食撤退、チーズと常温に注力 統合シナジーで新たな売場創出へ
食品新聞 / 2024年6月21日 11時38分
-
食品ロス、最少472万トン=事業系は目標達成、家庭も減―22年度
時事通信 / 2024年6月21日 10時16分
-
国際カカオ機関、カカオ豆需給予測を更新(コートジボワール)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月17日 1時15分
-
ナッツに引けを取らない健康機能性を持つピーナッツ その価値発信と量から質への転換が業界の課題 日本ピーナッツ協会
食品新聞 / 2024年6月14日 13時34分
-
日本マーガリン工業会 適正な価格形成を重視 世界市場は「一層の開拓を」
食品新聞 / 2024年6月3日 13時46分
ランキング
-
1「ポテポテハッシュポテハッシュ」の癖になるリズム マクドナルド公式X、朝マックのアピール動画話題に
J-CASTニュース / 2024年6月25日 19時48分
-
2「鹿児島県産」を「兵庫県産神戸牛」表示で販売…卸売業者に是正指示 「ホルスタイン種」を「和牛」にも 誤った個体識別番号表示で農水省近畿農政局も勧告
MBSニュース / 2024年6月25日 19時20分
-
3青森のサクランボ農園で実が割れる被害、佐藤錦は1〜3割が裂果…9園が一般客の受け入れ断念
読売新聞 / 2024年6月25日 23時0分
-
4新NISAで人気の「NTT株」が5月から急落した深層 個人株主は急増も、海外投資家と思惑のズレ?
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 8時10分
-
5テスラ、新型EVリコール 1万台超、不具合相次ぐ
共同通信 / 2024年6月26日 7時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)