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花王、持続可能なパーム油の調達へ取り組み 世界でも生産量最多の植物油を守るには

食品新聞 / 2024年6月3日 13時13分

花王は、持続可能なパーム油の調達に向けた活動を推進する。

同社は5月24日、ウェブサイトにて「花王サステナビリティレポート2024」を公開し、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)の進捗状況を発表した。その一つが、持続可能なパーム油の調達に向けた取り組み。

同社は、主要製品であるシャンプーなどに使用するパーム油・パーム核油を最も重要な天然資源と位置付けている。

パーム油・パーム核油とは、アブラヤシを原料とし、世界で最も生産量が多い植物油。バイオディーゼル燃料、洗剤、化粧品などの原料として使われている。食品への利用も多く、パンやポテトチップスなどの加工食品、マーガリンなどに含まれている。

パーム油の持続可能な調達においての大きな取り組みは、トレーサビリティの確保と小規模パーム農園への支援、人権問題への取り組みが挙げられる。

トレーサビリティの確保では、パーム油・パーム核油の農園までのトレーサビリティの確認を87%完了させた。

小規模パーム農園の支援では、RSPO認証の獲得をサポートしている。RSPOとは、「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)」のことで、パーム油に関わる7つのステークホルダーによって構成されている。そこで定められている「RSPOの原則と基準(The RSPO Principles and Criteria、P&C)」を守ると認証が受けられる。23年までに延べ839農園が認証を取得し、認証取得農園から9千996tの独立小規模パーム農園認証クレジットを花王が購入した。加えて、花王が開発した農薬散布時に薬剤を植物表面に展着させる農薬展着剤「アジュバント」の無償での支給も実施している。23年に延べ628農園への無償配布を実施。

人権問題への取り組みでは、グリーバンスメカニズム(苦情処理メカニズム)を22年9月から開始し、継続している。

グリーバンスメカニズムでは、パーム油を使用する花王とNPOが、油脂サプライヤー・プランテーション会社とともに、独立小規模パーム農園(農家)からの人権侵害などの苦情、農園運営に関する問い合わせを直接受け付ける。その後、調査、対応、解決、フォローアップ、定期的なグリーバンスリストの公開による報告を行っている。

23年はインドネシアの北スマトラ島の212農園が対象となり、213件の問い合わせが寄せられた。

23年9月には直接対話も実施。花王およびプランテーション会社の13人が、北スマトラ州ラブハンバトゥ県のシドルクン村を訪問した。小規模パーム農園の農民50人との対話が実施され、サステナビリティに関する質問をはじめ多くの質問や提言が参加者から出され、意見交換が行われた。

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