UCC、喫茶店・カフェの収益改善にコーヒーカクテル提案 コーヒーカクテル文化の発展も目的
食品新聞 / 2024年6月9日 17時58分
UCCは、喫茶店やカフェのオーナーに向けてコーヒーカクテルを提案する。
外食店の収益改善と日本でのコーヒーカクテル文化の発展が目的。
コーヒーカクテルとは、コーヒーにウィスキーやスピリッツといったアルコールを加えて作るカクテルの一種。アイリッシュウィスキーを加えたアイリッシュコーヒーなどが知られている。
4月24日、取材に応じたUCCジャパンの土井克朗係長(UCCコーヒーアカデミー専任講師)は「人件費や原料などあらゆるコストが上がっている今、コーヒーで売り上げが確保できないとなると、店を畳まざるを得なくなる。お店を維持するには売り上げを作らなければいけない」と呼びかける。
コーヒーカクテルによって単価アップを図る。
UCCジャパンの土井克朗係長(UCCコーヒーアカデミー専任講師)「1杯500円前後のブラックコーヒーが2杯飲まれたとしても売上げは1000円程度。一方、お酒の場合は1杯で1000円前後になることも多く単価が高い。さらに、お酒は複数杯も飲まれる傾向にある」と説明する。
単価アップの提案として土井係長はこの日、コーヒーカクテルを実演。
旬の花である梅をイメージしたカクテル「旬・花・終・冬」は、茶室に招く際に季節の花でゲストの緊張を解く心配りをイメージ。コーヒーにリラックス効果のあるとされる梅の香りを組み合わせたものとなる。
コーヒーは、梅や紫蘇の香りや味わいを感じられる豆を選定し、コロンビアのロスノガレス農園のモストアナエロビックウォッシュドを使用した。
ベースとなるアイスコーヒーの作り方には、急冷式(ホットブリュー)と水出し(コールドブリュー)の主に2つあり、それぞれにメリットがあるが、ここでは氷の代わりに 「Nucleus Paragon(ヌークレアス パラゴン)」という器具の上に直接ドリップして豊かな香りを閉じ込める急冷式を採用する。
「Nucleus Paragon(ヌークレアス パラゴン)」「Nucleus Paragon」の金属ボールを予め水に漬けて冷却し、金属ボールの上にコーヒー抽出液が流れ急冷する仕組みになっている。
アルコールは、ライチの香りがする芋焼酎でバラの香りを、かぼすの皮とクロモジ茶を漬けたウォッカでシトラス香とミント香を表現。これにレモンシロップには本みりんを加えて「本みりんの効果で香りをより引き出しながら五味のひとつである旨味をプラスさせた」。
これらを直接急冷したコーヒーと合わせてシェイクし氷の入ったグラスに注ぎ、穂紫蘇を添えて完成する。
アイリッシュコーヒーでは、旬の和菓子として桜餅を表現したメニューを実演。茶会において、先に和菓子を食べてもらうことで抹茶のおいしさを高めるという組み合わせへの気遣いが発想の原点となっている。
同メニューは、生クリーム、砂糖、コーヒー、ウィスキーを使って作られる。シェイクした生クリームで餅のような食感を、砂糖として和三盆を使用することであんこの甘みをそれぞれ表現。香りは、コーヒーのブレンドによってチェリーやイチゴの香り、ウィスキーによってバニラの香りを表現している。
コーヒーカクテル市場の発展のカギは、バリスタ・バーテンダーの双方向の情報交換が重要と土井係長は指摘する。
「バリスタは、豊富なお酒の種類や使い方を学ばなくてはいけない。一方、バーテンダーからは、コーヒーは味の変動要素が大きく扱いが難しいと言われる。お互いが情報を交換し合うことでマーケットが広がる可能性がある」との見方を示す。
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