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マンションを売却して総額3000万以上を推しに投下。峯岸みなみと大場美奈を推してきた伝説のオタク(51)が語る、オタクにとって「推しの結婚」とは。「大場の相手はいいけど峯岸のは…」

集英社オンライン / 2023年2月4日 17時1分

昨年8月と今年の1月、と相次いで結婚を発表した元AKB48の峯岸みなみと大場美奈。ファンやオタクはこの出来事をどう受け止めているのか。峯岸・大場、両方を推し、マンションを売却して総額3000万以上をつぎ込んだオタクの鑑、かちょす氏(51)に自身とオタクの心境を聞く。

2022年8月16日、元AKB48の峯岸みなみと、6人組YouTuber東海オンエアのリーダー・てつやがそれぞれのSNSで結婚を発表。オレンジ色のスーツとドレスに身を包んだツーショット写真とともに双方のコメントもアップされた。

また、2023年1月28日には、元AKB48、SKE48の大場美奈と福岡ソフトバンクホークスの石川柊太投手が結婚したことを発表した。こちらもそれぞれのSNSで署名入りの画像を公開している。


峯岸みなみと大場美奈、2人を推していた過去を持つ男性

そんな電撃婚を発表したふたりのアイドルを推していた過去を持つ男性がいる。
かちょすさん、51歳だ。

かちょすさんは2002年からアイドルのライブに通い始め、2006年にAKB48に出会い、たちまち峯岸みなみ、ついで大場美奈の熱心なファンとなる。購入するCD枚数や推し活に注ぎ込む金額の多さなどから、峯岸みなみと大場美奈のTO(トップオタクの略。推しの対象に熱狂的で有名な者が呼ばれる称号)とも呼ばれていた。

都内在住で過去にレンタルビデオチェーン店で店長を勤めているたかちょすさんは、現在は渋谷のディスカウントストアで責任者を務めている。AKB48のオタクたちはもちろん、メンバーでさえ誰もが知る存在で、過去には複数のメディアにも取り上げられており、AKB48のオタク代表としてテレビ出演もしている。

峯岸みなみと大場美奈…奇しくも近しい時期に結婚を発表した2人を推していた、かちょすさんは今、推し活はどうしているのか。2人の結婚をどう思ったのか。
記者はかちょすさんの自宅に招かれ、話を聞くことになった。

峯岸みなみだけで軽く1000万は超えてます

――いつからオタクを始めたんですか?

アイドルのオタクは松浦亜弥からです。それまではBOOWYが大好きで、東京ドームで行われた最後のライブ“LAST GIGS”のチケットも、高校生ながら徹夜で並んで学校サボって買いました。
当時はライブのチケットなんて電話か並びで買う時代だったんで、電話は回線がパンクしてたし、徹夜で並んで買っても2階の後ろの席でした。それでもめちゃくちゃ嬉しくて、学校で「チケット取れたよ!」って叫んでました。

それくらい音楽自体が元から好きで、その後CDショップでバイトもしてたくらいです。ただアイドルに関しては、テレビで見ても「歌上手いな」「可愛いな」くらいにしか思ってなくて。
それが2002年ごろに松浦亜弥が“赤坂BLITZ”でライブをするって知ったんです。僕はバンドのライブでよく“赤坂BLITZ”に行ってたので、とりあえず1回見てみるか、とライブに行ったのが、いちばん最初のアイドル現場ですね

――松浦亜弥からオタクとしてアイドル現場に通い始めたんですね。

オタクって最初に知り合った仲間に影響されると思うんですよ。僕も松浦亜弥きっかけで仲良くなった人たちが最前に行ったり、たくさんライブに通うような人たちだったんで、今の自分があるのはその影響があると思います。

そこからハロプロ繋がりでモーニング娘。のライブを見る機会があって、田中れいなからレス(目を合わせたり手を振られること)をたくさん貰ったもんだからコロッとモーニング娘。も通うようになりました。

ハワイや香港のライブも行きましたし、お金はめっちゃ使いましたね。当時、アイドルとの接触イベントというのは全くなかったから、どこでアピールするかってなったら最前しかないわけですよ。毎回最前行ってボードなんかでアピールするみたいな。
こうしてハロプロに通っていたのが30歳くらいのころですね。

――モーニング娘。の次はどこに?

次にAKB48ですね。峯岸みなみを推してました。

AKBに通い始めたきっかけは、以前働いていた某大手レンタルショップの仕事繋がりでライブに招待されたのが始まりですね。行ってみたら知り合いのオタクも会場にたくさんいて楽しくて。なのでハマるのは早かったです。

当時はまだチームAとチームKだけで、秋元才加と峯岸みなみどちらを推すか迷ってたんですよ。でも僕の中で運命のライブがあって。
チームAとチームK両方出るライブがあったんですけど、最前で見てたら峯岸みなみから、手を振られたり、目が合ったりとレスがたくさん来たんです。
で、そのライブ終わりは「お見送り」といって少しだけアイドルに会える機会があって、最後にオタク自身で見送ってくれるチームをどちらか選ばなければいけないんですが、そのときにチームAを選んだんですよ。
そこから峯岸みなみを本格的に推す人生が始まりましたね。

――本格的にというと峯岸みなみにはどれくらいの金額を使ってたんですか?

正確に計算してはいないですけど、軽く1000万円は超えてますね。

峯岸みなみ『短所ネガティブ 長所ネガティブ』(主婦の友社)

――何にそんなにお金を使ってたんですか?

ライブはもちろんですけど、1番はCDですね。総選挙の投票用紙や握手会のチケットがあったんで。でもその頃はCDを大量に買うっていう文化があまりなかったんで、握手会のためといっても、毎シングル100枚200枚程度だったと思います。

――かちょすさんは大場美奈も推していたわけですが、そのきっかけは?


2010年ごろの全国握手会のころには、握手をする前にオタクの手を消毒する文化が始まってたんですけど、消毒隊みたいな感じで9期生の研究生が来てたんですよ。握手するメンバーの並びレーンで消毒する係みたいなことをしてて、話そうと思えば多少話せる環境で。そこで仲良くなったのがきっかけですね。

――消毒する係だった大場さんとはどんなことを話したか覚えてます?

あんまり覚えてないですけど、たくさんイベントに来る界隈だったんですぐに覚えてくれましたね。いつも大勢で来るし騒ぐし最前にいることが多いから、言い方悪いですけど「厄介軍団だー!」みたいな(笑)。でもからかいつつも、毎回話してくれてましたね。

まさかのAKB48から出禁……からの大場推しへ

――そこからすぐに大場さんを推し始めたんですか?

実はその後にAKB48で1度出禁になっちゃったんですよ。すでに出禁になってた知り合いに自分のチケットを譲ったのがバレてしまって。運営からもかちょすはオタクの中でも目立つ存在だから、ちょっとの間だけ我慢しててって言われて。

その出禁の間に大場も、アイドル始める前の男性とのプリクラやブログなんかが流出して謹慎になったんですね。どれで、運営の方から聞いた話だと会議で「かちょすの出禁、いつ解除するか」って話題になって「大場も謹慎中だし同時に解除でいいだろ」って話になってたらしいです。そう言われるくらい、いつの間にか大場推しとして見られてたみたいですね。

でも一度出禁になってしまうと峯岸への興味が薄れてしまって、その時は乃木坂46に通ってました。で、結局、出禁中に峯岸推しをやめて、出禁終わりとともに一緒に謹慎解除になった大場に運命を感じて、大場だけ推す感じになりましたね。
大場がそのタイミングでSKE48に移ったんですけど、SKEは本当に大場にしか興味がなくって、最初のうちはライブは全然行かずに握手ばかり行ってました。たまたまいい席を当てた知り合いがいてライブに行ったら楽しくて、そこからはライブもガンガン通うようになりましたが。

――ちなみに峯岸みなみさんを推してた期間と大場美奈さんを推してた期間は被るんですか?

あまり被ってないですね。僕は1人にしか真剣に通えないタイプなんで。気づいたら峯岸みなみより大場美奈を推す期間の方が倍くらいになって。

――大場さんに使った金額はどれくらいだったんでしょう?

これも計算したことはないんですけど、峯岸の期間の倍は推してるし、CDの枚数も大場の方が多く買ってたんで、2000万円は確実に超えてますね。

大場のために買ったCDで言えば1万枚は余裕で超えてますよ。普通のシングルは毎回500枚くらい買ってて、選挙シングルの時は1000枚くらい。
1番気合いを入れて買った2018年の総選挙のシングルの時は1500枚くらいですね。このときはマンションを売りました。

大場美奈2nd写真集『答え合わせ』(小学館)

――それだけ推していた大場さんの卒業発表についてはどう思いました?

ある程度そろそろだなって気持ちはあったんで、すごい感謝の気持ちを覚えました。発表から卒業までに1年くらい時間をくれたし、卒業公演も3日間4公演もやってくれたんで、僕の知る限り48グループで1番いい卒業だと思います。

長く在籍しててスキャンダルもなくこんな豪華に卒業を迎えてるの大場だけなんで、オタクとしては本当に幸せですよね。
最初から最後までオタクを全うさせてくれたんで、素晴らしいアイドルだったなと思ってます。

マンションを売ったお金を総選挙のCD代に
つぎ込んだのは事実です

――大場さんが結婚を発表された瞬間のお気持ちはどうでした?

僕が大場のオタクしてたのも知ってる職場の後輩とご飯を食べてたんですよ。そしたらん突然結婚の発表があって、2人して「えー!!」って叫びました。ただただ驚きって感じですね。

まあでも今推してる「パラレルサイダー」ってグループの天白にこちゃんがいなかったら、もっとショック受けてると思いますよ。卒業してからも写真集何十冊も買うくらい、大場のことは相当好きだったんで。
ただ天白にこちゃんを見つけてからは大場に使うお金も抑えようと考えてたんで。天白にこちゃんのおかげで、大場美奈さん本当におめでとうって気持ちでいられます。

――推しが結婚されたらオタクは続けられないですか?

そんなこともないんですけど、どうしてもお金を使いたくなくなるんですよね。一応結婚してなければ夢があるじゃないですか。結婚とかされちゃうと「俺のこと好き好き言ってくれてたのはなんだったの」って気持ちになって、パッと冷めたりはしますよね。

思い出の推し活グッズたち

――大場さんから言われて嬉しかった話とか思い出に残ってる会話ってありますか?

もう卒業が近づいてた頃に、アイドル活動で何が今まで1番楽しかった?って聞いたら大場は「普段のくだらない会話に、かちょすが付き合ってくれるのが1番楽しかったよ」って言ってくれたのは、すごく響きましたね。

あと思い出で言えば、僕がマンションを売ったお金で、大場に総選挙の投票をしたっていうのが話題になったんです。それで大場がその時の総選挙で8位になって祝勝会みたいなことをした動画がTwitterで31万回再生されてるんですよ。他のメンバーにも見たよってたくさん言われましたね。

――実際にマンションを売られたんですか?

投票のために売ったわけではないんですよ。ちょうど所有してた住んでないマンションを売ろうと思ってた時期と総選挙の時期が被っただけで。でも売ったお金を投票に注ぎ込んだのは事実です。

たくさんお金を使うことに関して親はだいぶ昔に諦めてますね。最初の頃は、親が家に来た時に大量の握手券とかCDが見つかって「これはなに…アンタお金大丈夫なの」みたいに言葉を失ってましたけど。
でも計画的に使うようにとは今でも言ってくるんで、小遣い制にして上手くやってます。でも生活費以外はほとんどアイドルに使ってますね。全然貯金はしてないです。

大場の結婚相手はいいけど、峯岸の相手は…

――オタクの人からはまた違った反応されるんじゃないですか?

そうなんですよ。ほめられたり崇められるんですよ。そういう最強オタクみたいなブランドつけられたら、こっちも見栄張ってしまって後に引けないんですよ。オタクはみんなこういう性癖あると思いますよ。

まあでも大場の結婚相手が変な人じゃなくてよかったです。峯岸の結婚相手は正直イヤでしたもん。しかも峯岸のオタクしてたとか言ってるけど、見たことないし。
俺が知らないオタクがオタクを名乗るなよって思いましたね。

その件で少しバズったんですよ。“オタクとしては俺の方が勝ってる”みたいなツイートしたら結構色んな人に読まれたみたいで。通ってたオタクはみんな共感して、それは間違いないってなってました。

かちょす氏Twitterより

中には真面目な考えの人もいて、結婚してる方が勝ちだろみたいな意見もあったんですが、オタクの勝ち負けってちょっと違うんですよね。
峰岸の結婚発表のときに、「この後大場で発表あったらへこむ」ってツイートもしてるんですけど、まさか約半年後に現実になるとは思ってませんでしたね。でも、へこみはしてないですけど。

かちょす氏Twitterより

やっぱりオタクは楽しい。
一般人にはわからないでしょうけど

やっぱりオタクは楽しいですよ。一般人にはわからないでしょうけれど、人生損してるなとも思っちゃいますよ。こんな楽しい世界を知らずに一生を終わらせてしまうなんて。
推しの卒業とか結婚発表もあったりしますけどね、人脈も増えますからね。自分と全く職種の違う人や、世代が全然違うといった普通なら出会わないような人と仲良くなれますし。

大場に関しては選挙が1番の思い出ですね。当時のオタクたちしかわからないかもしれないんですけど、大場ってどう考えても選挙で選抜に入れるような人気じゃないんですよ。今までの毎年積み重ねた順位とオタクたちの総力から考えると。

さすがに選抜は厳しいだろってなるようなメンバーだったんですけど、2018年の53rdシングル世界選抜総選挙で「今年ならギリギリ16位以内には入れるんじゃないかな」と予想して、その年にオタクたちみんなで投票を頑張ったんですよ。
そしたら思った以上に順位がよくて8位になってくれて。本当によかったですね。やり切った甲斐があったというか。マンションを売ったお金も使ってますし(笑)。

大場美奈を推した証

――かちょすさんから見てアイドルってこういうものだよなっていうのありますか?

俺の持論としては、アイドルは裏では何やっててもいいんですよ。でも表ではオタクを全力で楽しませてほしいなって。それがアイドルの鑑なんだと思います。
そういう点では大場は本当に理想のアイドルでした。

あと、推してると元気出ますよね。疲れてても、アイドルからいいねとかきただけでテンション上がるんで。昔よりSNSが発達してるからその辺はありがたいですよね。前ならイベントに会いに行ってやっとでしたけど、ネット上で繋がってる気持ちになれるというか。

今はパラレルサイダーの天白にこを推すかちょす氏

50歳を超えてもこれだけ色んなライブに行ったり元気でいられるのもアイドルのおかげですね。


取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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