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65歳以上の疲労感・だるさの原因の第一位は「脱水」。冬こそ、体調不良を引き起こす「かくれ脱水」に気をつけて

集英社オンライン / 2023年2月8日 11時1分

「脱水症状」と聞くと夏のイメージがあるが、冬は無意識に脱水状態に陥る「かくれ脱水」になっていることがある。「かくれ脱水」による体の不調や気をつけるべきポイントを済生会横浜市東部病院 患者支援センター長の谷口英喜医師に解説いただいた。

冬に「脱水」状態になってしまう理由

「なんとなく体がだるい」「疲れている」という人は、知らず知らずに脱水状態になる「かくれ脱水」に陥っているかもしれません。
脱水とは、汗をすごくかいたり、喉がカラカラの状態になったりして、体調不良を起こすのですが、「かくれ脱水」は自分では気がつかないうちに、体の中の水分量が減っている状態になっていることを定義しています。

脱水は、体に入ってくる水分が少なくなるか、体から出ていく水分が多くなるか、あるいは両方が同時に起こった場合などに起こります。



夏は気温が高く汗をかくので、体の中の水分が多く出ていき、脱水になりやすい条件が揃っていますが、その分、意識していることが多いので、しっかり水分補給し、体に多くの水分が入ってきます。
夏の食べ物は素麺、スイカ、アイスクリームなど水気を含んだものが多く、食べ物からもしっかり水分を摂ることができています。

でも、冬は夏ほど汗をかくシチュエーションが少なく、喉も渇きにくいですよね。
そのため、水分補給をこまめにしないので、体に入ってくる水分が少なります。
食べ物も水気のあるものはなんとなく避けますし、夏ほど積極的に水分を摂ろうとしません。
その結果、知らず知らずのうちに体の中の水分量が減っているため、冬は「かくれ脱水」になりやすいのです。

また、夏の脱水は短時間でなりやすいのに比べて冬はじわじわと水分が減っている状態が蓄積されてなってしまうという違いがあります。

毎日飲むコップ1杯の水の量が減り、それが10日間続けば「かくれ脱水」になってしまうというわけです。

なんとなく疲れやすいのは「かくれ脱水」のせいだった!

「かくれ脱水」の主な症状は、疲れやすい、体がだるい、眠気がとれないということが多いです。

65歳以上の人で調査すると、疲れの原因で一番多いのは脱水だということがわかっています。朝昼晩の食事以外の食間や就寝前後で水分を摂っていない人で疲れているなら、ほぼ脱水の状態が考えられます。
これは若い世代や働き世代でも同様です。

私たちの体の細胞に栄養や酸素を運ぶのは水分です。
よって、水分が減る脱水状態は、栄養や酸素が体中の細胞に行き渡らなくなるので、当然体も元気がなくなります。
また、細胞で代謝されて新陳代謝によって生まれた、二酸化炭素やアンモニアなどの老廃物を外に運び出すのも水分の役目です。
水分が減ると老廃物が溜まってしまうため、体調不良になりやすくなってしまうのです。

なので、最近なんとなく疲れやすい、だるいなど体調不良を感じる人は、ほかの病気を疑う前に、「かくれ脱水」になっていないかチェックしましょう。

まず、毎日飲む水の量をチェックしてください。
成人ならば1日1500mlくらいは飲みましょう。水だけでなく、お茶やコーヒーなどでもOKです。ただし、カフェインで尿が近くなる人は控えてください。

また、体重に変化がないかも確認を。
かくれ脱水になると体重が落ちるということがあります。体重の2%相当以上が低下したら危険サインです。
水分は食事からも摂れるので、食事量が落ちてしまうと体に入る水分が減り、結果的に体重が減少します。
冬になって食事量が落ちていないかチェックしましょう。

こまめな水分補給としっかり食事を摂ることで予防を

「かくれ脱水」を予防するにはこまめな水分補給ときちんと食事を摂ることがポイントです。

私たちは実は知らず知らずのうちに日常的にかくれ脱水を経験しています。
例えば朝起きた瞬間は、体は一番水分量が少なくなっていますし。入浴後は水分が体から出ていくので「かくれ脱水」の状態なのです。
でも朝起きてコップ1杯の水を飲んで水分補給などするからこそ、「かくれ脱水」のリスクを回避しているわけです。

これをあまり喉が渇かないからと放置してしまうと、体の中の水分不足が蓄積し、脱水になってしまい、体調不良を起こしてしまう原因になるので、こまめな水分補給を心掛けましょう。

成人だと1日8回くらいにわけて180mlずつ、水分補給し、1500~2000kcalくらいの食事量を摂ることできれば、体の中に十分水分を満たすことができます。
ただし、アルコール(お酒)は水分に含まれません。
お酒に含まれるアルコールは利尿作用があり、むしろ体の中の水分がどんどん失われていきます。
お酒を飲むなら、水もしっかり摂取して水分補給してください。

また、高齢者の場合は、喉の渇きを感じにくかったり、歯が悪い、噛む力が弱いなどで食事量が減ったりするので、「かくれ脱水」になりやすいのです。

さらに成人と比べて高齢者は筋肉量が減ります。水分を体の中に溜めるのは筋肉量に左右されます。筋肉量が少ないということは、水分を溜める量が少なくなり、慢性的に水分が不足しがちです。
もしも薬などを飲んでいるなら、その薬の時間に合わせて、意識的に水分を摂取するようにしましょう。

冬は夏に比べて、水分を摂取する量が減るからこそ、こまめに水分補給して「かくれ脱水」を防ぐべきです。
ぜひ心がけてください。

取材・文/百田なつき

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