「HomePod(ホームポッド)」シリーズは、Appleが展開する据え置き型のスマートスピーカーです。AirPlayを介したワイヤレスでの音楽再生や、Siriに対応する快適な操作性が一番の特徴と言えます。
【フルサイズ版が待望の復活!】第2世代へと進化したAppleの最新スマートスピーカー「HomePod」は、“mini”ユーザーも買う価値アリ
集英社オンライン / 2023年2月9日 15時1分
Appleは、2月3日(金)に第2世代目となる新型のスマートスピーカー「HomePod」を発売した。現在は小型でカラフルな「HomePod mini」が人気を博しているが、待望の復活となるフルサイズモデルにはどんな長所があるのか。早速使ってみた、その印象をお届けしよう。
「HomePod」ってそもそも何?
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2月3日(金)に発売されたApple純正スマートスピーカー「HomePod(第2世代)」。カラーは「ホワイト」と新色「ミッドナイト」の2色展開。価格は4万4800円(https://www.apple.com/jp/homepod-2nd-generation/)
HomePodシリーズの系譜を簡単に振り返っておくと、初代「HomePod」が先行国向けにリリースされたのが2018年のこと。日本では翌2019年8月に発売されました。その後、2020年11月には、現在も継続販売されているコンパクトモデル「HomePod mini」がリリースされています。
そして、2021年春に「HomePod」の販売終了がアナウンスされました。一方で同年11月には、HomePod miniに、従来のホワイトとスペースグレイに加えて、オレンジ、イエロー、ブルーの新しいカラーバリエーションが追加されています。
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2021年に登場した小型の「HomePod mini」。現在はホワイト、スペースグレイ、オレンジ、イエロー、ブルーの5色展開。価格は1万4800円(https://www.apple.com/jp/homepod-mini/)
このように、フルサイズ版であるHomePodは一度市場から姿を消しており、今回リニューアルした「HomePod(第2世代)」は、一部のAppleおよび音楽ファンにとっては「待望の復活」といえる出来事なのです。
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◉「HomePod」シリーズの系譜
・2018年:HomePod(第1世代)、一部先行国にて発売
・2019年8月:HomePod(第1世代)、日本にて発売
・2020年11月:HomePod mini、発売
・2021年春:HomePod(第1世代)、提供終了のアナウンス
・2021年11月:HomePod miniの新色追加
・2023年2月3日:HomePod(第2世代)、発売 ← NEW!!
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スペックは何が変わったのか?
新旧HomePodの違いは、仕様を比べるとポイントが見えてきます。
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HomePodの第1世代と第2世代について主な仕様を比較
まず、外観について、サイズは高さ172mm x 幅142mmから高さ168mm x 幅142mmへと変わっていますが、差は4mmほどでわずかです。同様に重量も2.5kgから2.3kgへと少し軽くなっています。
カラーバリエーションは、「スペースグレイ/ホワイト」の2色から「ミッドナイト/ホワイト」の2色へと変わりました。また、天面のTouchサーフェスが大きくなり、端から端まで光るようになっています。
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HomePod(第2世代)の天面。数日使用した状態でホコリは少し目立つが、これは仕方ない
内蔵するウーファーとツイーターの数については、第1世代がウーファー×1、ホーンツイーター×7でした。一方、第2世代がウーファー×1、ホーンツイーター×5です。マイクアレイについても、第1世代では6つ、第2世代では4つ。単純に数を比べると、減っているのがわかります。
ただし、これによって音質が悪くなったわけでは決してありません。このあたりは新しいチップセット「S7」を搭載したことや、設計・ソフトウェア処理の工夫などが寄与していると思われます。おそらく、ウーファーやツイーターそのものについても、旧モデルとまったく同じ仕様というわけではないはずです。
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ホーンツイーターやマイクアレイの数自体は減ったが、Appleによる設計・ソフトウェア処理の工夫により、パワフルな音響体験を提供する
なお、HomePod(第2世代)は、新たに超広帯域テクノロジー(UWB)に対応しました。これにより「U1」チップ搭載のiPhone(iPhone SEを除くiPhone 11シリーズ以降のモデル)ならば、デバイスをかざすことで再生楽曲の“受け渡し”ができるなど、HomePod miniと同様の体験を味わえます。また、HomePod miniと同様、温度・湿度センサーも搭載されています。
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設定の容易さや超広帯域テクノロジー「UWB」を利用したiPhoneをかざす操作など、使い勝手はHomePod miniとほぼ同じ
通信仕様については、Wi-Fiが第1世代モデルでは「802.11ac(Wi-Fi 5)」対応でしたが、第2世代では「802.11n(Wi-Fi 4)」に下がっています。とはいえ、HomePod miniも802.11n(Wi-Fi 4)対応。筆者は自宅でHomePod miniを2台使っていますが、Wi-Fi 4でも特に支障はありません。電波が届きにくい特殊な環境でなければ、そこまで気にしなくてよさそうです。
このようにHomePod(第2世代)は、一部の仕様はしっかり押さえつつ、チップセットの刷新やUWB対応などを果たしたブラッシュアップモデルとなっています。
HomePod miniより低音が「ブンブン鳴る」
HomePod(第2世代)を使って楽曲を再生すると、普段聴いている楽曲に迫力ある低音が加わり、部屋に響くサウンドのクオリティがグッとアップします。この変化は、Apple MusicやSpotifyなどでの視聴に慣れて、イヤフォンやヘッドフォン以外のオーディオ機器にこだわってこなかった多くの人にとっては、特に顕著なはずです。
たとえば、Apple Musicで「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」の「Higher Ground(Remasterd 2003)」をHomePod(第2世代)で再生すると、スラップ奏法のベースがブンブン響き、部屋のグルーブ感が一気に上がります。最近の邦楽曲も再生してみましたが、たとえば「ずっと真夜中でいいのに。」の「残機」なども、HomePod miniよりも臨場感を持って楽曲リスニングにのめり込めました。
筆者宅にはすでにHomePod miniが2台ありますが、これはやはり価格面で手を伸ばしやすかったことや、わずかなスペースでも設置できたことが購入理由です。しかし、一度HomePod(第2世代)で楽曲を再生してからは、HomePod mini単体で音を鳴らすだけだと、低音の足りないシャカシャカした音質に聴こえてしまいました。
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HomePod(第2世代)とHomePod miniのサイズ比較。既存HomePod miniユーザーには、HomePodのちょい足しがおすすめ
HomePod(第2世代)は、4万4800円とスマートスピーカーとしては少々高価ですが、すでにHomePod miniを使っていて、その魅力を知っている人ならば、ちょっと贅沢してリビングの音質をグッと引き上げる選択肢には最適です。HomePod(第2世代)とHomePod miniを組み合わせて再生することもできますので、HomePod(第2世代)を1台ウーファーとして使い、もう1台HomePod miniで高音域を再生すれば、より満足度の高いホームオーディオ環境を構築できるでしょう。
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2台のHomePod(第2世代)を用意すれば、ステレオペアとしてより臨場感をアップできる
また、HomePodはスマートホームを体験するにもぴったりのデバイスです。Siriと各種スマートリモコンなどを組み合わせれば、部屋の電気や家電製品を賢くコントロールすることができます。またAppleのスマートホーム規格「HomeKit」や「Matter」に対応した製品が今後増えれば、その快適性は一層増すはずです。
さらに設置するHomePodシリーズの台数が増えれば、家庭内で音声メッセージをやりとりできる「インターコム」機能も活用しやすくなるでしょう。リビングにはHomePodを、寝室や書斎にはHomePod miniを、という使い分けを検討してみるのもよいかもしれません。
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HomePodシリーズは、スマートホームのハブとしても利用可能
文・写真/井上晃
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