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テレビ制作会社よりウェブ動画制作会社が高待遇になるまであと5年!? テレビ離れの若者が、それでもテレビ業界を志望する本音とは

集英社オンライン / 2023年2月24日 11時1分

就活生のためのセミナーやインターンシップが盛り上がるこの時期だが、テレビを見ないという若者が多いと言われる中、テレビ局に27年間在籍したテレビマンが教える、テレビ業界への就活事情を、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』 (光文社)より一部を抜粋、再構成してお届けする。

テレビを見ない若者がそれでもテレビ業界を志望するのは
「まだウェブ動画の業界より待遇がいいから」

若者のテレビ離れが言われてずいぶんになりますが、ではテレビ業界に就職したい若者がいないかというとそんなことはありません。私は大学その他で教員や講師をしているので、メディア志望の学生さんたちと接する機会が日常的にありますが、彼らは就職活動においてテレビ局をはじめとするテレビ業界を就職先として重要視しています。



では学生たちはテレビ番組を見ているのか? というと人によります。そんなにテレビを見ていない、あるいは、まったく見ていないという人もテレビ業界を志望することが多いのでおかしな具合ですが、話をよく聞いてみると彼らにもテレビを目指すちゃんとした理由があります。

それはなにか? というと簡単に言えば「お金」です。テレビがそんなに好きではない学生たちは、テレビ業界の待遇がいいからテレビ業界を狙うのです。

本当なら彼らが就職したいのはテレビ制作会社ではなく、ウェブ動画の制作会社やユーチューバーの事務所だったりします。しかし、まだ現状ではそうしたウェブ動画周りの会社は小さくて不安定なところが多い。

ユーチューブ制作の会社などでインターンをしてみたけれど、みんな死ぬほど忙しそうで、自分は右も左もわからない学生なのにガンガンこき使われた。お給料もどうやらかなり安そうだ。こんなところに就職していいのだろうか……といった相談を学生から受けたことが何回かあります。

そりゃ不安に思いますよね? まだ残念ながらウェブ動画関連の事務所は待遇が良くないし不安定な場合が多い。それに比べてテレビ制作会社はそこそこ安定している。だったらとりあえずテレビ業界を目指したほうがいいのではないか? ということです。

しかもテレビ業界なら先輩についてOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング=仕事をしながらスキルを身につけること)で映像制作の仕事を覚えられる。だったらテレビにはそんなに興味はないけれど、とりあえずまずは〝修業〟のつもりで、スキルが身につくまでテレビ局やテレビ制作会社で働こう! というのが学生たちの偽らざる本心だと私は感じています。
ちょっとさびしく思うテレビマンもいるかもしれませんが、これは非常にありがたいことですよね? テレビの仕事をやってみたら、まあまあ面白くてそのまま業界に残ってくれるかもしれませんし、まったく志望されないよりはるかにいい状況です。

みんな教員にはけっこうホンネを言ってくれるようで、「ホントはテレビを見てないので、どの番組を好きっていうか迷います。オジサンたちに好感度の高い答えはなんでしょう。先生?」とかズバズバ聞いてくる学生もいます。けど、これって一生懸命気を遣って考えてくれてるわけですから、カワイイと思いませんか?

それに、こういう状況だっていつまで続くかわかりません。ウェブ動画の制作環境はどんどん良くなっていくでしょうし、仕事は確実に増え続けるでしょう。となれば、テレビ制作会社よりウェブ動画制作会社のほうが高待遇になる日も近いのではないでしょうか? どうでしょう。逆転まであと5年くらいなのかな? と思ってしまいます。

そうなれば、本当に若者がテレビ業界にそっぽを向くかもしれません。それまでに彼らをつなぎ止めるような魅力的なテレビ業界にしなければ、ですよね。

『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)

鎮目博道 (著)

2023/2/22

208ページ

ISBN:

978-4334953638

みんなうすうす感じているアノ裏コノ裏をオープンに!
テレビ局に27年間在籍した立場だからわかる内部事情、問題点や外圧を、誰にでもわかりやすく解説していきます。
YOUTUBEに押され「テレビは終わった」と言われたりしているが、本当に凋落の一途をたどるのでしょうか!?
[番組の病巣][制作の闇][人材の裏側][周辺の実情][放送の壁]の5つのジャンルについてをこのような見出しで。

【ニュース】信頼をなくしたのは「レギュラーコメンテーター」がいるから。コメンテーターは毎日変えるべき
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