1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

〈宮台真司さん襲撃、容疑者を書類送検へ〉死亡した41歳無職“ひきこもり男”の素顔「親に国民年金を払ってもらい、別邸も買い与えてもらった」「お母さんはいい人だけど宗教の勧誘に熱心で…」

集英社オンライン / 2023年2月16日 14時46分

著名な社会学者で東京都立大学教授の宮台真司さん(63)が昨年11月29日、東京都八王子市の同大南大沢キャンパス構内で刃物を持った男に襲われて顔などを切られ、全治約1ヶ月の重傷を負った事件で、警視庁捜査1課は2月16日、死亡した相模原市南区の無職の男を容疑者と特定したと発表した。男の素顔に迫った集英社オンラインの記事を再公開する。(初出:2023年2月1日)

容疑者と思われる男は
捜査網が狭まったことに悲観し自殺

男は事件から17日後の昨年12月16日、現場から約9キロ南の神奈川県相模原市内の実家近くの別宅で首を吊った状態で死んでいるのを母親が見つけていた。41歳だった。警視庁は家宅捜索などで遺留品などを分析し、被疑者死亡で書類送検する方針だ。



宮台さん襲撃事件は日没前の午後4時過ぎに発生したが目撃証言に乏しく、警視庁は現場から立ち去る男の防犯カメラ映像を、事件から2週間後に公開した。
男はオレンジ色のニット帽に白い不織布マスクを装着、上下黒色のジャージに黒と灰色のバックパックを背負い、身長180〜190センチと大柄だった。特徴的な動画と写真の効果で、公開捜査当日から多数の情報が寄せられたが検挙には至らず、今年1月27日には川沿いを自転車に乗って走る男の映像を新たに公開した。

公開された容疑者と思われる男の映像(NHKより)

公開映像に写っていた自転車にも特徴があり、警視庁が購入記録を照合したところ、同30日になってこの男が浮上。すでに自殺から1か月半が経過していたことがわかった。家宅捜索では宮台さんを襲った凶器とみられるオノなども見つかった。

容疑者とみられる男の母親は公開捜査が始まると同時に息子は意気消沈して食欲もなくなったと話しており、捜査網が狭まったことを自覚した男が悲観して自殺したとみられる。
宮台さんはこの男とは面識がないとしており、男の自殺により動機の追及は極めて難しくなった。

近所の人によると、男は水道工事業を営む父と介護関係の仕事に就いていた母親と3人暮らし。数年前からは実家と、すぐ近くに両親が購入した別宅とを頻繁に行き来していたが、仕事はせずに引きこもりがちだったという。
近くに住む女性はこう話す。

「私たちもそう長生きはできないから息子のために家を買った」

「ご一家は30年以上前から住んでいて、ご両親と息子さん、その上にお姉さんが2人いたと思います。息子さんも小さい頃から知っているので会えば挨拶しますが、どちらかというとおとなしい印象でしたね。
最後に見かけたのは去年の11月だったかしら。自転車の鍵をいじっていて、私はすれ違っただけですね。最後に声をかけたのはもうずいぶん前だけど『元気?』と尋ねると『はい』と一言だけ返す、いつもそんな感じです。小さい頃から外で遊ぶのをあまり見かけなかったから家の中で遊んでたのかね」

容疑者とみられる男の本宅

別の近隣住民女性はこう話す。

「お父さんは水道管関係の仕事でお母さんはたぶん介護士です。お父さんもお母さんも70歳は過ぎているし、今は毎日ではなく週に数日働いている感じだと思います。
お母さんはキリスト教系の宗教を信仰していて、私も勧誘されたことがありますが、嫌がる人に無理やり誘うようなことはありませんし、統一教会とかではありません。
5年くらい前に『息子が働かないで引きこもっていてね。私たちもそう長生きできないだろうから、息子が困らないように国民年金だけは払ってあげてるの。私たちの家ももう古いから建て替えるぐらいならと思って、息子のために家も買ったのよ』と心配をしていました。
息子さんは野球の強豪校で有名な私立高校に進学したけど、その頃からひきこもりがちになったみたいですね。いずれにしても、お母さんはとてもいい人なのでこんなことになって心配です」

別宅は住宅地図上は宗教施設の名前に

小学生時代から体が大きく、スポーツも得意だったが、性格はおとなしかったという。母が息子のために購入したという「別宅」の近くに住む男性はこう話した。

「息子さんを最後に見かけたのは1年前くらいですかね。朝7時にちょくちょく自転車に乗ってやってきて、夕方から夜10時や11時に出て行くこともありました。こちらが会釈をすればペコりと返す、おとなしい感じの方でした。
決まって朝7時にやってきたし、お母さんもよく来ていました。お母さんが宗教関係というのは知っていたし、昔、住宅地図に宗教施設の名前が書かれていた記憶もあったので、お祈りか何かのタイミングで来てるのかと思っていました」

近隣住民は「おとなしい印象」と声をそろえ、中学時代の同級生もこう証言した。
「中学のときは野球部で坊主頭。背が高く童顔でモテるタイプだった。やんちゃなグループにも顔がきいたが、物静かな印象。引きこもりになっていたとはびっくりした」

男のために両親が購入したという別宅

2月1日、宮台さんは、ネットメディアの動画で「容疑者が私や家族、関係者に危害を加える可能性がなくなってほっとした」「動機がわからず、気持ちの踏ん切りはつきにくい。人が亡くなるのはどんな理由があっても悲しいことだ」と語っている。

何が男を凶行に駆り立て、自死するまで追い詰めたのか。謎はしばらく解けそうもない。


※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください