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“もったいない”が家計と世界を救う! 「フードロス食品」を賢く買って、食費を切り詰める時代に終止符を!

集英社オンライン / 2023年2月23日 15時1分

昨年から止まることなく続く食品の値上げラッシュ。2月に値上げされる食品や飲料は5000品目超えで具体的な商品名も続々と公表され、家計は大打撃だ。だが「フードロス食品」を賢く利用すれば、日常に必要な調味料も、気になっていたお菓子も、食べてみたかった高級品も、100円玉1枚で買えるかも!?

節約のプロすらため息をつく物価高の救世主・フードロス食品

2023年中に値上げ予定の食品・飲料は7000品目を超えるとされ、加工食品、調味料、酒類、飲料、菓子、パンなどあらゆるものが値上がっている状況だ。

節約アドバイザーの和田由貴さんに状況を聞くと、ため息をつく。

「肌感でいえば、食品は3割上がっていますね。初期の値上げ対象は加工食品だけでしたが、燃料費高騰の余波は野菜生産にも波及し、定価があるようでない野菜なだけに徐々に値上がりをしてきています。ほかにも合いびき肉は100g98円で買えたのが、今は128円が普通ですし……」


節約のプロですら悩ましい物価高時代だが、SDGsが庶民のお財布へも優しく手を差し伸べている。

「フードロス」だ。
本来は食べられる食品が廃棄されることを指した単語だが、捨てずに「値引きして販売」する動きが急激に広まっている。

もちろん、これまでも弁当や惣菜類など製造日当日が賞味期限の食品は、閉店間際に値引きシールが貼られ販売。レトルト食品や乾物などは棚の入れ替えや消費期限が近くなると、店の片隅でひっそり“見切り品”として売られていたが……。

「“フードロス”に言い換えられたことで、消費者が商品を手に取りやすくなりましたね。最近は普通のスーパーでも、従来の値引き品をフードロスとうたって販売することが特に目につくようになりましたが、今はフードロスになりそうな商品を買い上げて販売することが増えてきたんですよ」

背景にはSDGsの流れが加速する中で、行政がフードロス認証に前向なことがある。官民連携のプロジェクトが増えてきているのだ。

自治体が積極的に乗り出したフードシェアリングとは?

フードロス食品となるのは、賞味期限と消費期限間近、規格外、印字ミスなどが理由による廃棄、終売や返品商品など。それを食品メーカーや小売店から買い上げ、アプリやECサイトなどでマッチングさせるのがフードシェアリングだ。

「フードロス食品の詰め合わせセットが届くスタイルなど、新しい取り組みが出てきました。面白いフードシェアリングサービスは『+PLUSFOOD』、『TABETE』、『Fuubo』です。サービスにより購入方法はさまざまですが、お弁当店やベーカリー、洋菓子店なども参加しているので、家や会社の近所にあるなら活用しがいがありますね」

札幌で展開する『+PLUSFOOD』は、月額1078円で1日1回・月10回まで協賛店で食品を受け取れる。『TABETE』はアプリでフードロス食品を検索してユーザーがそれを “レスキュー”するシステムで、全国19の自治体が連携。『Fuubo』はアプリで在庫をチェックして県庁や市庁舎、商業施設などに設置された無人販売機で購入するようになっている。

どのサービスも“お得に買ってフードロスを削減”や“食べて社会貢献”をうたっているため、見切り品を購入する印象が薄く、社会の役に立つ気分がある。モノにもよるが、超お買い得であれば定価から9割引き、平均3~4割引きのため、消費者には嬉しい限りだ。

「だだ、利用するには本当に必要な食品が安くなっている時に買うこと。ムダなものは安くても買わないのは鉄則です。また、以前から訳あり品を安く買えるサイトがありますが、訳ありを騙っているだけのこともありました。フードロス食品も便乗商法が出てくるかもしれませんから、宣伝文句に騙されないように。賢い消費者になるには、スーパーや店頭でチェックして定価を知っておくことが重要になります」

賞味期限切れを気にしなければ
必需品が格安で買える!

さて、実店舗は実際どれだけ安くなっているのだろう? 和田さんに教えてもらった中から都内のフードロス食品を扱う店へ行ってみた。

最初に向かったのは、東京都足立区の住宅地にある“ワケあり食品専門店”の『エコロマルシェ』だ。

Twitterでお得情報を発信。通販も行っている

シンプルな店内をぐるりと見回すと、業務用サイズの調味料や油、漬物などが目につく。そんな中から、家庭用サイズの有名メーカーのオリーブオイル106円、キャノーラ油83円を発見!

現行品とパッケージが違うような? ここでポップに気づいた。「賞味期限切れ特価」と書いてある。よく見ると、店内のほとんどの商品に同様のポップが掲げられていた。ほとんどの商品の賞味期限が切れているよう。これをよしとするかは購入者次第だが……。

家庭での植物油の1か月平均消費量でもっとも多いのが、300~500gである(平成17年度「食料品消費モニター/植物油の消費実態について」農林水産省調査)。植物油はクオリティにより価格の差があるが、スーパーで普通に買うとキャノーラ油1本(400g)は約300円、オリーブオイル1本(400g)は600円程度だ。1か月に1本使い切るとして計算すると、キャノーラ油は年間2604円、オリーブオイルは5928円が浮くことに。

日清オイリオはすでに3月1日納入分から41品目を5~47%引き上げると発表済で、今後一気に値段が上がるのは確実。
そもそも賞味期限は“美味しく食べられる期間”なだけで、販売することに罰則はないそうだから、気にしないのであれば、植物油はフードロス食品を積極的に活用すると節約になるのは間違いない。

イギリスの『LOVE COCOA』。定価は手前から一番小さな手前の商品でも410円で、大きいサイズは1000円を超える。フードロス食品として(大)71円、(中)19円、(小)19円で販売されていた

家計に地味に響く菓子類こそ
フードロス食品が狙い目

続けて向かったのは、訳あり食品を激安販売する『マルヤス足立花畑店』。店内は業務スーパーのような印象で、レトルト食品や調味料からアルコールまで品数豊富である。入店してすぐ目についたのは人気コミック『呪術廻戦』パッケージの『カプリコ』(参考小売価格104円が63円)だ。

こちらもTwitterで情報発信中。東京23区、埼玉県で6店舗展開

見回すと『小枝』のモンブラン味(参考小売価格216円が128円)、IKEAで扱う『チーズドゥードゥル』(定価399円が149円)など、菓子類やつまみ類が盛大に値引きされていた。

ライスパスタは元値450円が49円に。コンビニでよく見るおつまみは、元値267円で賞味期限切れ間近のため79円だった

『具鍋 豚ねぎ塩』は希望小売価格360円が149円。鍋のつゆは比較的賞味期限が長いためシーズン終わりに購入して次シーズンに備えらえれる。『大豆ミートのほうれん草カレー』は希望小売価格318円が170円に

季節限定品は、つい“今だけ”に煽られて買ってしまうが、時期をズラせば価格は半値ほど。マメにパトロールをすれば意外な掘り出し物を発見できそうだ。それに、生鮮食品に比べて菓子類は気分的に手を出しやすい。残り期間が短いとはいえ、賞味期限以内がほとんどなのも好印象だ。

ほかに、意識高い系のスーパーで販売していそうな海外製の菓子や調味料も、投げ売り価格で販売。普段は買わない商品との新たな出会いも、フードロス食品を扱う実店舗ではありそうだ。

元値が高い海外製品は、売れ残りがフードロス食品を扱う店に置かれる確率が高い印象も

ちなみに、ネットでは牛丼の具がフードロスで買える。吉野家もあったが、安かったのは松屋の方で「牛めしの具(プレミアム仕様)」(135g/冷凍品)で、30個でなんと5999円、つまり1個199円だ(別途送料550円)。

松屋のオンラインで30個を買うと1万5000円で、1個あたり500円。正規品は送料無料とはいえ、フードロス食品は301円お得である。店舗で30日間、並盛り(380円)を食べると1万1400円だから、フードロス食品を購入して自宅で生卵をつけた方が、心の満足度が高くなりそうだ。

ネット上には肉、魚、野菜、果物、飲料、菓子類まで、あらゆるジャンルのフードロス食品が揃っていた。しかし、生鮮食品は○○産と銘打たれたブランド品が多い印象。少しいい品を安く買えるが、従来の訳あり品と同様に通常価格が不透明なため、購入時には注意が必要だ。

とはいえ、どちらにせよ、店舗、ネット共に賞味期限が気にならなければお得に買えるのは間違いなさそうだ。

取材・文・撮影/Naviee

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